本プロジェクトは、T会員の属性に加え、移動、購買という多面的な情報を有するCCCマーケティングと、土木工学をベースにビッグデータ、情報学、医学、保健学、統計学、AIなど様々な分野の知識を用いて異分野融合の研究を行っている藤生研究室が、「地域のためのまちづくり」をテーマに共同研究を行うことで、地域の交通計画や防災対策、観光政策に活用していくことを目的としています。
- ■市民動態調査の新たな指標としての可能性
Tポイントのデータは、変化の加速する地域都市における人の移動実態をリアルタイムに捉えることができ、また時系列での比較も可能なものであることが大きな特徴です。本プロジェクトの一環として、2020年9月に金沢都市圏(金沢市、白山市、かほく市、野々市市、津幡町、内灘町の4市2町)在住のT会員を対象とした新型コロナウイルス流行に伴う動態変化の調査分析を実施し、データの有効性が実証されています。
- ■課題解決を実現する共創プラットフォームも活用
本プロジェクトでは、2.7万人を超える生活者がプランナーとして企業や行政の課題解決に参加する共創コミュニティサイト「Blabo!」も活用し、観光や防災についてのアイデア募集も行い、インサイト発見のためのツールとし使用しています。今後はライフスタイル提案を強みとするカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループのアセットも活用した取り組みを行っていく予定です。
「Blabo!」プロジェクトサイト:https://bla.bo/owners/kanazawauni_fujiu#boards
■金沢大学・藤生慎准教授からのコメント
市民生活の多様化が進む中、既存の統計データのみで行動の実態を把握し、「地域のためのまちづくり」を実践することは難しくなってきています。しかし、いわゆるビッグデータと言われる多様な属性情報を持つデータから見えてくる市民の行動には大変興味深いものがあります。Tポイントのデータは、移動情報のみならず、購買という新たな切り口の情報を持つビッグデータであり、地域の交通計画・防災計画・観光計画の策定に多大なる貢献が期待できます。既存の統計データとTポイントのデータを組み合わせて、分析することで、「きめ細かく・気の利いた」各種政策を立案することが可能になります。Tポイントのデータはウィズコロナ時代における新たな、まちづくり政策立案にも、大いに活用できるビッグデータであると期待しています。本プロジェクトでは、Tポイントのデータを用いて分析を開始しており、これまでに明らかとなっていなかった新たな市民行動パターンを見つけることができました。
■CCCマーケティング株式会社・北村和彦からのコメント
私たちは、今後進んでいくスマートシティ構想等の地域のDX(デジタル・トランスフォーメーション)において、市民が主役となったまちづくりを実現するためのTポイントのデータの有効活用を目指しています。本プロジェクトをはじめ、今後の地域の経済回復や市民活動の活性化に向けて、自治体や地元企業における施策立案に貢献する取り組みを行ってまいります。
CCCマーケティングは、「UNIQUE DATA, SMALL HAPPY.」をグループミッションに、多種多様なデータを、テクノロジーとアイデアで価値創造し、個人のライフスタイルとそれを取り巻く社会をつないで、一人ひとりの毎日の小さな幸せを作ることを使命とし、「UNIQUE DATA, SMALL HAPPY.」が実現される社会を目指してまいります。