NVIDIAがBioNeMo をオープンに、世界のバイオ医薬品および科学産業向けにデジタルバイオロジーを拡大

アトランタ – SC24 – 2024 年 11 月 18 日 – NVIDIA は、世界的な製薬およびテックバイオ業界のリーダー、学術界の先駆者、AI 研究者が、新薬の発見を推進し、分子設計を加速するためにオープンソースの NVIDIA® BioNeMo™ Framework(https://github.com/NVIDIA/bionemo-framework)を導入していることを発表しました。

研究者は、大規模な洞察を収集して治療薬をより迅速に設計できる特殊な生体分子モデルとデータセットを必要としています。オープンソースの BioNeMo Frameworkは、生体分子研究用の AI モデルを指数関数的に拡張するように設計された高速コンピューティング ツールのコレクションを提供し、バイオ医薬品に新しいレベルのスーパーコンピューティングをもたらします。

NVIDIA のヘルスケア担当バイス プレジデントである キンバリー パウエル (Kimberly Powell) は次のように述べています。「AI、アクセラレーテッド コンピューティング、および拡大し続けるデータセットの融合は、最近のノベール化学賞の受賞からも明らかなように、製薬業界に前例のない機会をもたらします。生物システムの複雑さを解明するために、NVIDIAはオープンソースの BioNeMo Frameworkを導入しました。これにより、世界中の研究者が命を救う治療法の開発を加速できるようになるでしょう」

先駆的なバイオテクノロジ企業、テックバイオ研究者、AI プラットフォーム企業や組織は、すでにオープンソース フレームワークに貢献しているか、今後貢献する予定です。これには、A Alpha Bio、アルゴンヌ国立研究所、Dyno Therapeutics、Ginkgo Bioworks、Relation、VantAI、Weights & Biases が含まれます。計算科学の進歩で知られる主要な研究リーダーも、BioNeMo Frameworkを使用してイノベーションを推進しています。

アルゴンヌ国立研究所の計算科学グループ リーダーである Arvind Ramanathan 氏は次のように述べています。「アルゴンヌは、ハイパフォーマンス コンピューティング環境でトレーニングするために特殊なソフトウェアを必要とする、数十億のパラメータを持つ生物学的モデルを提供してきました。BioNeMoによって、アルゴンヌとより広範なバイオテクノロジ コミュニティは、研究者が大規模な生物学的基礎モデルのトレーニングを簡単に拡張可能にするエンタープライズ レベルのオープンソース ソリューションを手に入れることができます。そのような計算の専門知識を持たない研究室でさえ、です」

次世代の BioNeMo プラットフォーム

エンドツーエンドの NVIDIA BioNeMo プラットフォーム (https://www.nvidia.com/ja-jp/clara/biopharma/)は、創薬と分子設計のための AI モデルの作成、カスタマイズ、展開を加速するように設計されています。高速コンピューティング インフラストラクチャとシームレスに統合されているため、コストを削減し、規模を拡大し、創薬ワークフローを高速化して、生体分子データから高速で信頼性の高い洞察を提供します。

BioNeMo Frameworkに加えて、このプラットフォームは、安全でスケーラブルな AI 推論用に最適化されたマイクロサービスである NVIDIA NIM ™(https://www.nvidia.com/ja-jp/ai/) と、ウェット ラボと計算ワークフロー用に最適化されたリファレンス デザインである NVIDIA BioNeMo Blueprintをサポートしています。

NVIDIA はさらに、BioNeMo 向けに最適化された使いやすい NIM マイクロサービス(https://build.nvidia.com/explore/biology)の新しいコレクションを発表しました。これらのマイクロサービスは、オンプレミス、または任意のデータ センターやクラウドに迅速かつ簡単に展開できます。これにより、開発者はさまざまな環境でアプリケーションを柔軟に実行でき、生物学的創薬研究の推論から洞察までの時間を短縮できます。

新たに利用可能になった NIM マイクロサービスは、次のような業界をリードするモデルをサポートしています。

AlphaFold2https://build.nvidia.com/deepmind/alphafold2)は、Google DeepMind が開発したディープラーニング モデルで、タンパク質構造予測を変革するように設計されています。BioNeMo の AlphaFold2 NIM マイクロサービスを使用した研究者は、タンパク質構造をほぼリアルタイムで予測する際に 5 倍のスピードアップを達成しました。

DiffDock 2.0https://build.nvidia.com/mit/diffdock)は MIT の研究に基づいており、ゴールド スタンダードの PLINDER データセット(https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2024.07.17.603955v3)でトレーニングされています。DiffDock 2.0 NIM マイクロサービスを使用すると、研究者は分子の方向を 6.2 倍速く予測できるようになり、精度も16% 向上しました。

RFdiffusionhttps://build.nvidia.com/ipd/rfdiffusion)および ProteinMPNNhttps://build.nvidia.com/ipd/proteinmpnn)NIM マイクロサービスは、ターゲット分子に結合する新しいタンパク質の設計プロセスをスピードアップし、新しいタンパク質治療薬の作成を可能にします。

また、BioNeMo には、化学反応の DiffDock 予測に不可欠な数学的計算を高速化する cuEquivariance などの新しいアクセラレーション ライブラリも追加されました。

企業は、カスタマイズ可能なリファレンス AI ワークフローのカタログである NVIDIA BioNeMo Blueprintを使用して、開発者が AI 展開をエンタープライズ グレードの生産パイプラインとして拡張できるように支援できます。

仮想スクリーニング用の BioNeMo Blueprintは、NIM マイクロサービスを使用して小分子をより速く設計し、時間とコストを節約しながら、カスタマイズ可能でわかりやすいワークフローを提供します。

200 社を超えるテックバイオ、大手製薬会社、スタートアップ企業がすでに BioNeMo を自社のコンピューター支援創薬プラットフォームおよびワークフローに統合しています。

グローバル システム インテグレーター、ソフトウェア プロバイダー、クラウド サービス プロバイダーの Accenture、AWS、Deloitte は、NVIDIA BioNeMo Blueprints を世界中の企業に提供しています。

※本発表資料は米国時間 2024 年 11 月 18 日に発表されたプレスリリース(https://nvidianews.nvidia.com/news/nvidia-opens-bionemo-to-scale-digital-biology-for-global-biopharma-and-scientific-industry)の抄訳です。

NVIDIA について
1993 年の創業以来、NVIDIA(https://www.nvidia.com/ja-jp/) (NASDAQ: NVDA) はアクセラレーテッド コンピューティングのパイオニアです。同社が 1999 年に発明した GPU は、PC ゲーム市場の成長を促進し、コンピューター グラフィックスを再定義して、現代の AI の時代に火をつけながら、各種産業のデジタル化を後押ししています。NVIDIA は現在、業界を再形成しているデータセンター規模の製品を提供するフルスタック コンピューティング企業です。詳細は、こちらのリンクから:https://nvidianews.nvidia.com/