AIやIoTの実用化、5G対応の進展でデータ通信量は飛躍的に増加しており、SNS、動画配信サービスの普及や在宅勤務、オンライン授業の浸透により、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの需要も活性化しております。また、データ通信を支えるデータセンターや基地局への投資も積極的に行われ、さらに、EVや自動運転など自動車関連向けにも半導体デバイスの需要は広がっており、半導体関連市場は今後も大いに成長・拡大することが見込まれます。
このような市場環境の中、日立ハイテクの主要生産拠点である那珂地区近郊の常陸那珂工業団地内に、半導体製造装置を中心とした主力製品の生産能力拡充と、多様な製品ラインアップを実現する開発環境の構築を目的とした、マリンサイトが竣工しました。マリンサイトの概要および主な特長は以下の通りです。
<マリンサイトの概要>
所在地:茨城県ひたちなか市新光町
敷地面積:約125,000㎡
延床面積:約50,000㎡
構造:鉄骨造 地上6階建
総投資額:約300億円
<主な特長>
・DX推進による高効率・安定生産体制の構築と製品・ソリューション開発環境の充実
・再生可能エネルギーによる運営でCO2排出ゼロ、脱炭素社会の実現に貢献
・新入社員主導のプロジェクトにより屋上に巨大QRコードを作成
DX推進による高効率・安定生産体制の構築と製品・ソリューション開発環境の充実
マリンサイトは、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進め、IoTを活用した最新鋭のスマートファクトリーです。統合管理システムにより、生産進度、製品性能、生産環境などのモノづくりデータを一元管理し各工程の情報を可視化することで、開発・生産体制を高度化しています。また、部材の自動搬送やリモート調整の導入により一部の工程を自動化・無人化しており、高効率かつ安定的な生産を実現することで今後ますます成長する半導体関連市場に対応しています。さらに、お客様からの高精度な装置間マッチングの要求にお応えするために、お客様が半導体デバイスの生産時に使用するクリーンルームと同等の生産環境を構築するとともに、半導体製造装置と解析装置の設計者の連携をさらに深めることで、開発環境を充実させ、製品開発のスピードアップや製品競争力の強化を図り、半導体デバイス構造の微細化などに伴うお客様が抱える様々な課題解決にも貢献します。
再生可能エネルギーによる運営でCO2排出ゼロ、脱炭素社会の実現に貢献
日立ハイテクグループでは、2030年度までにCO2排出ゼロの実現をめざしており、各拠点の使用電力を順次、再生可能エネルギーに切り替えるなど、CO2排出量削減の取り組みを進めております。マリンサイトは再生可能エネルギーの利用と太陽光パネルの設置により、竣工当初からCO2排出ゼロとなり、脱炭素社会の実現に貢献しています。また、自社の環境負荷軽減に努めるだけでなく、環境配慮設計(エコデザイン)とライフサイクルアセスメントを導入した製品開発プロセスにより、設計・開発段階や製品使用の段階においても消費電力を削減できるなど、環境に配慮した製品を増やすことでバリューチェーンを通じたCO2排出量の抑制にも貢献しています。
新入社員主導のプロジェクトにより屋上に巨大QRコードを作成
マリンサイトの設計棟屋上には巨大QRコードが描かれています。この巨大QRコードを地図アプリの航空写真などから読み込むことで、日立ハイテクのホームページへアクセスできます。また、ホームページでは巨大QRコードが完成するまでのメイキング動画やマリンサイトを紹介する特設ページを公開します。これらはマリンサイトで勤務予定の2020年度新入社員22名を中心としたユニークなプロジェクトで考案されました。
日立ハイテクグループは、今後も革新的な製品・ソリューションをタイムリーに提供し続け、最先端分野でお客様の飛躍と成長をお手伝いするとともに、CO2排出量の削減により脱炭素社会の実現に貢献することなど、社会課題の解決を通じて社会価値の創出にも取り組んでまいります。