■求められる環境戦略
■人材戦略は共通の重要戦略
■コロナの影響により公表を延期する会社も目立つが直近は公表再開
ククレブ・アドバイザーズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:宮寺之裕、以下「CCReB」)は、CCReB AI(※)のAIエンジンを活用し、2020年2月1日~2021年1月31日に公表された企業の中期経営計画について、以下の分析を行いました。
CCReB AIにストックする中期経営計画書内のワードを各テーマに分類し、全ヒット数のうち、テーマごとのワードがどの程度の比率を占めるかについて詳細分析を行いました。
各テーマとして、
デジタル(AI活用、DX戦略、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)等の推進)
環境(SDGs、脱炭素、省エネ化等の環境戦略)
人材(人材育成、働き方改革等の人材戦略)
海外(中国市場強化、アメリカ市場強化等のグローバル戦略)
財務指標(ROE向上、ROA向上、自己資本比率向上等の指標改善目標)
B/S・P/L(資産売却、キャッシュ創出等のB/S、P/Lの改善に直結する戦略)
新時代(テレワーク、アフターコロナ等の新しい時代の戦略)
方針(上記各テーマに関連する上位の経営目標)
に分類した上で、対象期間において公表された中期経営計画を解析した結果、東証1・2部で総数6666ヒット、新興市場で952ヒットとなり、ワード分類ごとの比率は以下の通りとなりました。
解析の結果、特筆すべき点として、デジタルワードについては、新興市場が東証1部・2部に比べ高い比率を占めていることと、テレワーク推進やアフターコロナに向けた事業戦略など新時代ワードについても新興市場の方がより高い比率を占める結果となりました。デジタル戦略については、企業規模からもスピード感のある新興市場の企業の方がより推進意欲が強いことが窺える形となりした。
一方、環境ワードについては、東証1・2部上場企業においてより多く経営戦略とされていることが分かります。これはグローバル投資家が多い大手企業が市場から環境対応を求められていることが一因と言えそうですが、最近の「脱炭素」社会の推進や、SDGs、ESG推進の議論が深まる流れから、今後の経営戦略においてもより対応が求められる項目と思料されます。また、ROEの数値目標や財務規律に関しての経営目標も東証1・2部企業の方がより多く経営戦略とされており、同様に市場を意識した経営戦略と言えそうです。
なお、今回の解析において、一番ヒット数の多いワード上位は、東証1部・2部企業では、「生産性改善(6.72%)」、「収益性向上(6.00%)」「人材育成(5.75%)」となり、同じく新興市場では、「人材育成(7.46%)」「財務基盤強化(3.68%)」となり、いずれの市場でも「人材育成」が企業の大きな課題であることが窺えるとともに、今後の成長を左右する経営戦略と言えます。
これから3月決算を迎え、中期経営計画の公表を延期していた企業群でも徐々に公表を行う企業が増えて行くものと思われますが、ククレブ総合研究所では今後もホームページ等にて、テーマを設定した上で、中期経営計画や有価証券報告書のAIエンジンでの解析結果を公表していくとともに、新聞等の媒体などへの情報提供などを通じて、幅広く企業経営戦略のトレンドを発信して参ります。
(※)CCReB AIについて:https://www.ccreb.jp/ccreb-ai/
(※)新サービス“CCReB Clip”について:https://www.ccreb.jp/service/ccreb-clip/
【会社概要】
会社名 : ククレブ・アドバイザーズ株式会社
所在地 : 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町二丁目5番地 神保町センタービル
設立 : 2019年7月
資本金:2億円(資本準備金を含む)
代表取締役: 宮寺 之裕
事業内容 :①CREアドバイザリー業務、②AI・IoTを活用したCRE営業支援ツールの企画・開発・販売、③コンパクトCRE不動産投資・開発業務 等