◆ 日本の流通小売業界の現状
昨今の日本における流通小売業界は、オーバーストアやECの台頭、店舗のショールーム化、そして新型コロナウイルス感染拡大の影響による客質・客層の変化等、大きな変化に直面しており、変革を求められております。
【オーバーストア】
総合スーパーやコンビニエンスストア、家電量販店等の業態にみられるように、不採算店舗の大量閉店を実施しながら、新規出店を続ける企業が増えており、世界一店舗の改廃が多い国と言っても過言ではありません。そして、競合する各社が商圏となるエリアを越え、積極的な出店を行ったことで、業種・業態を超えた価格競争の激化、販売手法の変化、新規参入企業の増加等、流通小売業界での商圏内競争が激化し、商圏に対して需要より供給が過剰になるほど出店が進み、オーバーストア(店舗過剰)に陥っております。
【ECの台頭、店舗のショールーム化】
近年、ECサイトやオンラインショップの成長率が高まっていることに伴って、インターネットやSNSで顧客を集めようとする動きが高まっております。消費の中心がインターネットへシフトしていく中で、リアル店舗のショールーム化にも拍車がかかっております。これまでは、リアル店舗に来店して商品を購入するのが主流でしたが、現在では店舗で商品仕様を確認したうえで、インターネットへアクセスし、より安く販売しているサイトを探すようになりました。
また、新型コロナウイルスの影響で、多くの方が不要・不急の外出を控え、自宅からオンラインでの買い物やサービス利用等、巣ごもり消費需要の高まりにより、今後も更にEC化や店舗のショールーム化が進んでいくことが予想されます。
【コロナ禍における客質・客層の変化】
コロナ禍前までは、日本経済圏の中で大きな盛り上がりを見せていた日本のインバウンド産業。今回の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、世界各国でのロックダウンや他国への渡航制限等により、訪日外国人観光客をターゲットとしていたインバウンド産業は壊滅的状況となりました。特に日本の観光地に立地する免税店やドラッグストア、家電量販店等では、訪日外国人観光客の消費により、売上の大半を占めていた店舗もあり、新型コロナウイルスが原因で閉店に追い込まれる店舗もありました。
また、緊急事態宣言の発令による店舗の休業や営業時間短縮要請、不要・不急の外出自粛、テレワーク(在宅勤務)の推進、おうち時間の増加等により、日本人の消費行動にも大きな変化をもたらしております。これまで都心のオフィス街で勤務していたサラリーマンやOLがテレワーク(在宅勤務)の推進に伴い、郊外・住宅立地で消費する人々が増えたことで、都心のオフィス街に立地する店舗の売上低迷に悩む事業者も多く、客質・客層に大きな変化をもたらしております。
◆ 店舗DBとは
「店舗DB」 とは、当社グループが創業期よりサービスを提供してきたラウンダー、推奨販売、覆面調査、デジタルサイネージ等、数々のフィールドマーケティングサービスを通じて、独自に蓄積してきたリアル店舗の売場・販促活動に関するデータベースです。加えて、地域経済分析システム 「RESAS(リーサス)」 や政府統計ポータルサイト 「e-Stat(イースタット)」 等のオープンデータとの連携や企業のホームページ等に掲載されている店舗情報を自動クローリングし、リアルタイムで最新の店舗情報を整備しております。
◆ 店頭販促DX戦略支援 サービス概要
これまで店頭販促プロ―モーション企画で重要視されていた、どのような店頭販促プロモーションを行うのか(販促手法)と同様に、どこの店舗で店頭販促プロモーションを行うのか(販促店舗)、またチェーン全体で一斉に展開していた店頭販促プロモーションから最適な販促対象店舗を抽出し、効率的かつ効果的な店頭販促プロモーションが求められる時代へ突入しております。
年間100万件超、累計700万件超の 「店舗DB」 を基に、商品コンセプトやターゲット層、立地等から仮説を立て、仮説に基づいてデータ分析と店頭販促プロモーション企画を実施するための店舗を抽出し、売れる店舗、ショールームとして価値のある店舗、不振店舗等を選別。効率的かつ効果的な店頭販促プロモーション企画立案を支援するとともに、当社グループが提供するフィールドマーケティングサービスの効果を最大化するため、店頭販促DX戦略支援を開始いたしました。
◆ 店舗DB 導入事例(食品メーカー様)
【課題】
新商品を発売したが売れ行きが伸び悩んでいるため、どこの店舗で販促強化を行うのが効果的か?
◆ 今後の展望
当社グループが展開するラウンダー、推奨販売、デジタルサイネージ等のフィールドマーケティングサービスで 「店舗DB」 の活用を推進し、導入事例を増やすことで、当社グループが展開するサービスの付加価値を高めてまいります。また、フィールドマーケティングサービスを通じて蓄積している定量・定性データの 「広さ」 や 「深さ」 を追求するとともに、オープンデータとの連携強化も積極的に行い、店頭販促のDX化を推進してまいります。
◆ インパクトホールディングス株式会社 会社概要
社名 : インパクトホールディングス株式会社 (東証マザーズ・証券コード:6067)
事業内容 : 流通・サービス業に特化した、インターネット活用型アウトソーシング事業。消費財メーカー向け営業アウトソーシング、店頭リサーチ事業、マーケティングに関わるシステム開発およびASP展開。調査インフラとして、全国47都道府県のメディアクルー(登録スタッフ)数が28万人を超える。
設立 : 2004年2月
資本金 : 1,325百万円 ※2020年3月末時点
代表者 : 代表取締役社長 福井 康夫
本社所在地 : 東京都渋谷区渋谷2丁目12-19 東建インターナショナルビル6F
従業員数 : 1,372名(うち正社員 445名) ※2020年1月末時点
コーポレートサイト : https://impact-h.co.jp/
サービスサイト : https://impact-h.jp/