エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ/AI×ロボティクスソリューションの活用により複雑な輸出入業務をスマート化!

NTTアドバンステクノロジ株式会社(以下:NTT-AT、本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:木村丈治)とアライズイノベーション株式会社(以下:アライズイノベーション、本社:東京都中央区、代表取締役社長:清水真)は、AI機能付OCR「AIRead®」のクラウド型サービス「AIRead on Cloud」とRPAツール「WinActor®」の連携により、業務効率化と生産性向上を実現するAI×ロボティクスソリューション(以下:本ソリューション)のグローバル展開に取り組んでいます。 
今般、ファーストユーザーとして紙・包装資材の卸売を手掛けるOVOL Singapore Pte. Ltd.(以下:OVOLシンガポール様)への導入が決定し、2020年10月に本格運用が開始される予定です。
OVOLシンガポール様では、本ソリューションの導入により、デジタルトランスフォーメーション(以下:DX)による業務プロセス改革の一環として、これまで手作業で行っていた船積書類からERPへのデータ入力業務の自動化による稼働時間やコストの削減が大いに期待されています。
■背景
近年、各企業や自治体におけるRPA導入が急速に広がり、パソコンで扱う定型作業の自動化が進む一方で、各種伝票、帳票類、各種申請書などの紙を扱う業務は自動化が進まず、課題の一つとなっています。また、海外においても紙文書を扱う業務は多く残っており、データエントリー作業などは人手に頼っている状況で、今後、業務効率化・自動化に向けてOCRの需要が高まると想定されます。

これらの課題への解決策として、AI-OCRを活用した紙帳票類等の事前のデジタル化と事後の読み取りや入力作業の自動化が有効な手段の一つであることから、NTT-ATとアライズイノベーションは、グローバル市場に向けたAI-OCRソリューションを推進するため、昨年5月にパートナー契約を締結しました。

そして、この度、DXによる業務プロセス改革に取り組むOVOLシンガポール様から、ERPへのデータ入力に関する業務の自動化、効率化に本ソリューションを活用したいとのご要望をいただき、導入に至りました。

■本ソリューションの概要
本ソリューションは、AIRead on CloudとWinActorを連携させ、業務効率化と生産性向上を実現するソリューションです。

OVOLシンガポール様の導入事例
1)主な特長
  AIRead と WinActorが連携し、これまで人が行っていた船積書類の内容確認と計算、ERPへの入力業務を自動化します。船積書類にはInvoice、Packing List、船荷証券など非定型でさまざまな種類の書類があります。これらを 1つのPDFファイルで一括読取を行ったとしても、AIRead on Cloudがページごとに帳票を仕分け(自動判別)し、非定型の帳票から適切なデータのみを抽出することができます。

2)主な機能
 ・WinActorが、船積書類(PDF)をAIRead on Cloudへアップロード。
 ・AIRead on Cloudが、帳票を自動判別し非定型の帳票から抽出したい文字を認識。
 ・WinActorが、AIRead on CloudからCSVファイルを一括ダウンロード。
 ・WinActorが、加工後のデータをERPへ自動入力。

3)全体構成図

■本ソリューションの導入について
OVOL シンガポール様は、2019 年 7 月、日本紙パルプ商事株式会社が東南アジアにおける営業基盤の強化、取扱商品の拡充、顧客サービスの向上を目的として、シンガポールにて紙卸売事業を展開する既存基盤である JPP Far East Pte. Ltd. と 2018 年 12 月に買収した同業の Spicers Singapore Pte. Ltd. が統合して設立されました。

同社の紙の輸出入業務では、取引先から受領する船積書類をもとにSKU(最小管理単位)ごとの数量や船荷証券番号などの確定情報をERPへ手入力しています。この作業は書類が取引先ごとに異なるため従業員のノウハウに依存することが多く、また計算誤りなどによる作業品質の低下も懸念されていました。

OVOLシンガポール様は、業務効率化を目的として本ソリューションを導入することで、データ入力業務の効率化・自動化を図るとともに、導入時のノウハウを活用し、NTT-AT、アライズイノベーションとともに海外の取引先へ本ソリューションの展開を進める計画です。

お客様の声
OVOLシンガポールは、既存事業である「紙卸売事業」を礎に主力事業の変革や新規分野における業務プロセスの抜本改革に向けたDXも推進しています。
そのような中、従業員のノウハウに依存することが多い船積書類のデータ入力業務や確認作業の稼働軽減を図り効率化するために、アライズイノベーション様と詳細な検討を重ねながら、NTT-ATシンガポール支店様にも協力いただき本ソリューションを導入することとしました。
本ソリューションの活用により社内のDXを推進することはもとより、今後は、同様の課題を抱えておられる同業者や他の企業様への有効なICTツールとして、アライズイノベーション様、NTT-AT様とも連携しながらご提案していくなど、お客様の課題解決につなげていければと考えております。
  OVOL Singapore Pte. Ltd.
  Chief Strategy Officer & Chief Business Officer
  新井 翔太

今後の展開
NTT-ATとアライズイノベーションは、NTT-ATシンガポール支店と連携して本ソリューションの本格運用に向けた準備を進めるとともに、WinActorの拡張機能チャットサービスである「WinActor Brain NaRuKami® (以下、NaRuKami)」を利用して、グローバル展開にも積極的に取り組み、海外における企業の高度なDX 推進支援を加速します。

COVID-19の影響で働き方が大きく変わる中、リモート環境での業務自動化の可能性を探るため、AIReadとWinActorに加えてNaRuKamiを連携させたPoC(Proof of Concept)をOVOLシンガポール様と行っていくことで合意しており、在宅勤務や外出中でもWinActorがエラーを検知した場合の内容確認や制御などの検証、WinActor実行中に人の判断が必要となる業務の検証などを行ってまいります。

また両社は、本ソリューションのグローバル展開に積極的に取り組み、海外における企業のDX 推進支援を加速します。

AIRead on Cloudの概要
製品サイト】https://www.ariseinnovation.co.jp/eai/oncloud/
書類等にある活字や手書き文字をAIで文字認識してデータ化します。日々の業務で発生するさまざまな書類の文字の認識に、深層学習をはじめとする機械学習の技術を取り入れており、非定型の書類でも書式を学習しデータ化することもできます。SaaS型で安価に素早く利用できるため、さまざまな利用シーンで業務効率化や労働生産性の向上を実現します。

AIRead on Cloud全体構成図
①FAXや書類等の文字をAIで文字認識しデータ化します。
②手書き文字、活字の読み取りに対応しています。
③読み取り項目の位置ずれの補正や非定型フォーマットの書類の読み取りが可能です。
 

WinActorの概要
【製品サイト】https://winactor.biz/
WinActorは、NTTアクセスサービスシステム研究所で研究開発された技術をベースに、NTT-ATが商品化した純国産のRPAです。Windows®アプリケーション、Webアプリケーションで行うさまざまな操作を「シナリオ」として記録し、自動化します。定型的な繰り返し作業や、大量データを扱う作業を正確に再現することが可能です。さらに、既存システムに手を加えることなく、これまで人手で行ってきた複雑な操作や、複数システムにまたがるデータの投入を自動化し、人手作業の効率・品質・コストの大幅な改善につなげることができます。
WinActorは、企業等の働き方改革・業務効率化に貢献するツールとして日本で最も注目されているRPAのひとつであり、日本企業の業務にマッチした純国産RPAとして、金融業から物流・小売業まで幅広い分野の5,300社を超える企業に導入され、大企業のほか中堅・中小企業や全国の自治体にも利用者が増え続けています。

NaRuKamiの概要
【製品サイト
WinActor Brain NaRuKami 受付サポーター:https://winactor.biz/product/brain/narukamirc.html
WinActor Brain NaRuKami 運用サポーター:https://winactor.biz/product/brain/narukamiop.html

NaRuKamiには「NaRuKami 受付サポーター」と「NaRuKami 運用サポーター」の2つのサービスがあります。
「NaRuKami 受付サポーター」は、紙(手書き)で行っていた各種申込を、タブレット上のチャット画面の質問へ変換し、これに回答することで既存システムにデータの自動投入ができる入力アシストを実現するチャットサービスです。申込の正確な入力を誘導し、記入誤りの削減や窓口の業務効率化に貢献するとともに、データ入力の最上流工程からデジタル化することで、受付~処理~承認まで一貫したFull DX(フル デジタルトランスフォーメーション)が可能になります。

「NaRuKami 運用サポーター」は、WinActorの処理フローに人との対話を組み入れるチャットサービスで、WinActorは人の判断が必要な時にユーザーに指示を仰ぎ、処理を続けます。ユーザーは端末の前にいる必要はなく、どこにいてもスマートフォンなどで対応が可能です。

NaRuKamiにより、従来のRPA処理の範囲が非定型な業務へも拡大し、RPAの適用領域を一層拡張することが可能になりました。withコロナ時代の「新しい働き方」においてRPAやAIを活用した業務の自動化への期待はますます高まっています。NTT-ATでは、RPAツール「WinActor」やAIなどの技術を組み合わせて、お客様のDXを推進し、withコロナ時代の「働き方の新しいスタイル」や業務効率化に一層貢献してまいります。
 

※ 記載された会社名及び製品名(ロゴ含む)は、各社の商標または登録商標です。