「電子インボイス推進協議会(以下、EIPA(エイパ)」は2020年7月の発足〈※1〉以来、65社の正会員と特別会員3団体、7名(2020年11月末時点)に加え、行政機関のオブザーバーを交えて、日本における電子インボイスの標準仕様について協議を重ねてきました。2023年10月の適格請求書等保存方式(インボイス制度)開始に向けて、中小・小規模事業者から大企業に至るまで幅広く、容易に、かつ低コストで利用でき、加えてグローバルな取引にも対応できる仕組みとするために、準拠する標準規格として「Peppol」を選定した上で、日本の法令や商慣習などに対応した「日本標準仕様」を策定することを決定しました。
電子インボイスの仕組みを通じて、国内外の取引相手との間でデジタルの請求書をオンラインで円滑に授受できるようになります。その結果、ペーパーレスでのインボイス制度対応はもちろん、業務プロセスの自動化など「デジタル化」につながり、事業者は請求や支払い、記帳や申告といった業務で圧倒的な効率化と正確な処理を実現することができ、さらにテレワーク促進も期待されます。
EIPAは日本における電子インボイスの普及に向けて、政府からの全面的な協力を要請しています。要請内容には、「Peppol」の運営管理組織である「OpenPeppol」との交渉などについて政府が積極的な役割を担うこと、「Peppol」の枠組みの中で「日本標準仕様」に関わる適切な管理・運用体制を政府が構築すること、電子インボイスの普及・活用に向けて事業者が利用しやすい仕組みを設けることなどが含まれます。なお本日、平井卓也 デジタル改革担当大臣へEIPA 岡本浩一郎 代表幹事らが訪問し、日本における電子インボイスの普及を通じた業務デジタル化に向けた提言とともに前記の要請を行い、意見交換を行いました。
EIPAは、2023年10月のインボイス制度開始に先立ち、2022年秋に事業者が電子インボイスに対応したソフトウエアを使用できる状態になることを目指しています。今後は「Peppol」が定める標準規格について詳細な調査、分析を進めるとともに、「日本標準仕様」として必要な追加要件を整理し、2021年6月末を目途に電子インボイスの国内標準仕様(初版)の策定と公開を目指します。また、会員各社は対応製品などの開発に向けた作業をEIPAと連携して進めていきます。
〈※1〉 2020年7月29日付プレスリリース:
「電子インボイス推進協議会」 を10社共同で発足。 商取引全体のデジタル化と生産性向上への貢献を目指す
(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000076.000015865.html)
- 「Peppol(ぺポル)」 概要
運営管理団体 | OpenPeppol |
採用実績 | 同規格で電子文書のやり取りを可能にするネットワークが存在し、それに接続するアクセス・ポイントは、欧州、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールなど31か国に合計295カ所(2020年8月19日時点) |
採用国での管理 | 採用する各国においては、行政機関に管理局(Peppol Authorities)が設立され、各国の商慣習に合った標準仕様を管理している |
URL | https://peppol.eu/ |
- 電子インボイス推進協議会 概要
団体名 | 電子インボイス推進協議会(英語名称 : E-Invoice Promotion Association) |
設立日 | 2020年7月29日 |
所在地 | 京都港区赤坂 1-3-6 赤坂グレースビル 4F (一般社団法人コンピュータソフトウェア協会内) |
代表幹事法人 | 弥生株式会社 |
幹事法人 | 株式会社インフォマート SAPジャパン株式会社 株式会社TKC 株式会社マネーフォワード 株式会社ミロク情報サービス 弥生株式会社 (法人名 50音順) |
監事 | 水谷 学 (ピー・シー・エー株式会社 取締役相談役)磯部 和郎 (税理士) |
会員数 | 68社、7名(内:正会員65社、特別会員(団体)3社、特別会員(個人)7名)* 会員一覧 https://www.csaj.jp/documents/activity/project/eipa/201130_memberlist.pdf |
URL | https://www.csaj.jp/activity/project/eipa.html |