- リリースのPOINT
■オムロン ヘルスケアが設計拠点のグローバル化を加速
■ベストプラクティスの適用によりPLMソフトウェアの導入期間を大幅に短縮
- オムロン ヘスルケアがデジタル化を促進~導入期間の短縮に成功~
オムロン ヘルスケアでは、製品がグローバルに展開を広げる中で、各エリアのニーズを反映した商品開発体制を強化しようと取り組んでいます。そこで、PTCのPLMソフトウェア『Windchill』を導入し、紙によるエンジニアリング業務を完全デジタル化、技術や開発情報を一元管理し、開発、設計、製造現場の連携を強化することで、さらなる成長を目指しています。今回のPLMソフトウェア、PTCの『Windchill』導入においては、ソリューション開発元・ITコンサルティング・オムロン ヘルスケアの3社が連携することで、通常の約1/3の期間で導入に成功しました。
- PTC社の『Windchill』とは
製造業では、リアルタイムでの情報共有やデータの可視化がこれまで以上に求められるようになっています。オープンアーキテクチャを有するPTC社の『Windchill』は、柔軟性や拡張性、相互運用性にすぐれており、複数部門にまたがるデータの一元管理をはじめ開発プロセスの最適化・データによる製造アプローチを支援する製品ライフサイクル管理ソフトです。その豊富な機能により、作業時間や市場投入までの期間の短縮やコスト効率化の高いソリューション構築を可能にします。
- 「ベストプラクティス適用サービス」によって導入期間を通常の3分の1に短縮
導入にあたっては、PTC社が、PLM導入の知見を最大限に活かしたメソッド開発を実現する、Value-Ready Deployment™ (VRD)サービスを提供し、TOPWELLがVRDをベースに独自開発したベストプラクティス適用サービスを実施し、オムロン組織内での構築や利用体制を整えました。ベストプラクティスをベースに、要件定義を同時進行で実装・検証を繰り返すことにより、PLM導入にあたっての劇的な期間短縮とコストの削減が実現しました。
- オムロン ヘスルケアの取り組み ~京都から世界へ グローバルで活躍できる研究開発の進化~
従来、オムロン ヘルスケアの研究開発は日本が中心であり、日本で開発・設計された商品を、海外の販売エリアへ展開していく形が基本でした。しかし、グローバルに拡大する市場に対応するため、各地のニーズを的確に掴み、それらに合わせたスピーディな設計と、設計・生産活動の連携を強化する必要が出てきました。そこで日本はイノベーション拠点として開発に集中し、既に販売エリアの近くにあった生産拠点の近くに設計拠点を分散することにより、各販売エリアのローカルニーズを的確にとらえ、タイムリーな設計、スピーディーな商品提供を実施することでグローバル全拠点で「お客様の期待品質」向上を目指します。
これらのグローバル化を促進するために、オムロン ヘルスケアでは設計ドキュメントのデジタル化を推進しデータの一元管理、変更管理の厳格化に取り組んでいます。
- デジタル化で世界を繋げ! 各国のニーズを反映した開発・設計・生産体制へ
国や地域によって必要な商品の形状や機能は異なります。各エリアのニーズをくみ取り商品設計を実施することで、消費者にとってより付加価値の高い商品をグローバルに展開します。
また生産拠点の近くに設計拠点を設け、商品設計から市場展開までの期間を大幅に短縮。エリア毎のニーズ反映と市場展開までのスピードアップを実現し、グローバルにスピーディーな製品開発を加速していきます。
エンジニアリング業務の完全デジタル化を推進。核となる設計情報をデジタル化しグローバルに展開・共有することで、エリア毎のニーズに合わせた商品展開を実施。
- PTC社『Windchill』導入の効果
グローバル視点での競争力強化に加え、『医療業界の監査への対応』や『予測不可能なリスク・危機に強い企業体制の構築』などでも効果をあげています。
設計情報をグローバルで活用できる環境の構築
リスクを想定した対応体制へ
設計・開発業務の電子化率100%を達成したことにより、拠点間での設計情報をグローバルで活用できる環境の構築ができました。設計・開発業務がシンプルになり、設計工数、管理工数が激減する見込みです。必要な「設計情報」を探す時間が大幅に短縮され、設計の本質に割く時間の創出が期待されています。また法規制における監査対応業務も効率化され、監査指摘率の減少が見込まれています。
現代の経営環境は自然災害や感染症など、予測不可能なリスクにさらされています。その為、常にリスクを想定した対応体制や事業運営方法の備えが必要です。今回完全デジタル化を進めていたことによって、アフターコロナの中でリモートワークができる体制が整ってきています。
- グローバル基準でのタイムリーな商品開発へ~プロジェクトメンバー~
オムロン ヘルスケア(株)商品開発統轄部 開発推進部 部長 土岐佳久氏
設計現場に意識改革を! その力を未来の製品へ
これまでの紙の情報管理では情報へのアクセスや入手に制約があり、それが技術者たちの対応範囲や思考を限定的にしてきた面があると思います。今後は皆がデータを見渡して探せるようになることで、技術者の視野も広くなりそうです。また若手設計者が設計に携わる際は技術資料集めに奔走するために多くの時間を取られてきましたが、そこから解放されることになるでしょう。これからを担う若手技術者がそこから解放され、その分の時間で創造的で本質的な設計に取り組めるようになって、それが設計の質や品質の向上へもつながるのではと考えています。
(株) TOPWELL 代表取締役 井上康秀氏
組織内の心理障壁を打開せよ
活動目的自体が組織内で合意がとれていたとしても、新たなシステムを導入することは、既存の業務内容を大きく変えることを意味します。今まで多数の企業のIT・デジタル化を進めていく中で、最大の問題は、業務プロセスの変更による『組織内における心理的な課題』といっても過言ではないでしょう。具体的には『過去の考えへの固執』などが大きな要素として挙げられます。そこで、今回のオムロンヘルスケアへの導入では、実際に現場に出向いて、どのように工場がデータを活用・管理しているのか?を徹底的にヒアリング。現場社員の課題感を徹底的に洗い出すことで、現場と同じ目線に立ち実現可能性の高い提案を意識しました。導入コンサルティング企業は、システム面だけでなく、組織面にも焦点を当て現場の意識統一を図ることが重要です。
PTCジャパン(株) 代表取締役 桑原宏昭氏
ヘルスケア企業に適したよりよい情報管理の要件提案を
製造業における生産性の向上を目指すうえで、分散された企画や開発、技術情報データをグローバル環境で一元管理し、情報の共有や視覚化、作業員同志や業務間の連携がより重要になってきています。PTCのWindchillは、企業のあらゆるデータを集約し、各部門で蓄積された最新情報を管理することで、製品開発サイクルを高度化させるだけでなく、設計者の育成やスキルの標準化および能力向上などにも貢献します。また、PTCは、多くのヘルスケア企業を対象にWindchillの導入を行っており、その中でも厳格なFDAの規定に対応する、医療機器メーカ様専用パッケージシステム/専用導入サービス「Windchill Medical Device Suite」導入への豊富な知見とコンサルティングの経験を活かして、企業に最適な要件提案の実践が重要であると考えます。
※PTCの社名、ロゴマークWindchill、およびすべてのPTC製品の名称は、PTC Inc.(米国および他国の子会社を含む)の商標または登録商標です。その他、記載している会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。