「美味しい和食と豊かな海を、未来もずっと。」
株式会社きじま
海の抱える課題に対して包括的にアプローチするため、和食レストランでは初めてMSC*1 、ASC *2認証 の水産物を導入し、昨年は40万人のお客様に提供しました。コロナウイルス禍でも新たに仕出し・ケータリング事業やお弁当事業などを展開し、具体的な調達目標も定めて取り組みを進めています。
みんなでおためし! 海のエシカル~試食・学び・交流を通して「海の豊かさを 守る」取り組み
生活協同組合コープみらい、コープデリ生活協同組合連合会
水産資源を守る調達方針を2017年に策定し、サステナブル・シーフードの積極的 な取扱を 進めてきました。2019年には組合員・消費者が試食したり、水産資源の現状と課題や持続可能な商品の利用について学べる「みんなでおためし!海のエシカル」を約30会場で開催し、理解を深める場をつくりました。
持続可能な水産物の調達と消費をめざす日本生協の取り組み
日本生活協同組合連合会
「日本生協連CO・OP商品の水産物調達の考え方」を2017年に策定し、「水産資源の持 続的利用と責任ある調達」をめざす取組みを推進。2019年度は水産部門供給高における認証商品の構成比は約20%に。消費者組織としてコミュニケーションを重視 し、生協組合員の水産エコラベル認知も向上。NGOや取引先などとの協働で漁業・養殖業改善プロジェクト(FIP/AIP)を実施中。水産
物の持続可能性やトレーサビリティの改善のための協同の取り組みを広げることをめざしています。
邑久(おく)町虫明の牡蠣を世界へ
邑久町漁業MSCチーム、邑久町漁業協同組合、株式会社マルト水産、イオンリテール株式会社
岡山県東部にある邑久町の牡蠣漁業の継続と消費量を回復させるためにMSC認証*3 取得に挑戦。2019年12月に牡蠣漁業としてはアジア初、垂下式漁業 としては世界で初めてMSC認証を取得しました。加工、流通、小売の連携、消費者と地域社会の十分な意識と理解により生産現場の取り組みが推進される
ことを示しました。
<コラボレーション部門>
Gyoppy!(ギョッピー)
ヤフー株式会社、株式会社Huuuu編集部、くいしん株式会社、マルハニチロ株式会社、株式会社ドットライフ
漁獲量の減少や乱獲、気候変動やプラスチック問題など海に関する課題を伝え、解決を目指すメディアサービス。編集部が独自に作成する記事や、コンテンツパートナーから提供された記事を読むことで、読者の興味関心を引き出すだけでなく、募金やサステナブル・シーフードの購入など実際にアクション につながるような導線も設置しています。
カフェ及びダイニング業態30店舗にてサステナブル・シーフード提供拡大商品開発プロジェクト
株式会社ゼットン、株式会社ニチレイフレッシュ
豊かな海を未来に残すための環境保全を目的とし、2019年12月に葛西臨海公園内 *4の3店舗でMSC/ASC CoC認証を取得。人気主力商品を、ASC認証を取得した原材料で商品開発し、今年3月からサステナブル・シーフードの提供も開始しました。 7月にはカフェ及びダイニング業態27店舗でCoCグループ認証も取得しました。
ブロックチェーンを活用した非対面型ビジネスモデルへの転換
海光物産株式会社、日本IBM株式会社、アイエックス・ナレッジ株式会社、株式会社ライトハウス
ブロックチェーンを活用し、漁業現場から製造・加工、物流、販売・サービス、 最終消費地をつなぎ、消費者が魚の来歴やその裏にあるストーリーを知ることができるシステムを構築しています。コロナ禍に求められている非対面型ビジネス を可能にしつつトレーサビリティも担保される画期的なシステムです。
高知カツオ県民会議の取り組みと持続可能性への挑戦
高知商工会議高知大学、中土佐町、高知県かつお漁業協同組合、株式会社高知新聞社
高知県内の経済界、企業、大学、自治体、マスコミなど約150名からなる高知カツオ県民会議はカツオの資源減少に関する情報発信や資源動向の調査、WCPFC*5への参加など幅広い活動を展開。現在はメンバーでもある高知か
つお漁協が2021年のMSC認証取得に向けて取り組みを進めています。
審査員 (*順不同、敬称略)
足立直樹(株式会社レスポンスアビリティ代表取締役)、井田徹治(共同通信社編集委員・論説委員環境・開 発・エネルギー問題担当)、臼井壯太朗(株式会社臼福本店代表取締役)、河口真理子(不二製油グループ本 社株式会社CEO補佐、立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授)、山口真奈美(日本サステナブル・ラ ベル協会代表理事)、舘岡志保(Navire noir代表、水産庁「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」メン バー)、藤田香(日経ESGシニアエディター、日経ESG経営フォーラムプロデューサー)、ライアン・ビゲ ロ(米・シーフードウォッチ シニアプログラムマネジャー)、花岡和佳男(シーフードレガシー代表取締役 社長)
各プロジェクトの詳細は公式サイトをご覧ください。https://sustainableseafoodnow.com/2020/award
*1 MSC認証:MSC(海洋管理協議会)が運営する天然水産物の認証。海のエコラベル」と呼ばれ、水産物が持続可 能な漁業によって獲られたことを証明する。
*2 ASC認証:ASC(水産養殖管理協議会)が運営する養殖水産物の認証制度。養殖水産物が社会的、環境的要素に 配慮し、責任ある方法で育てられ、漁獲されたことを証明する。
*3 垂下式漁業:カキの幼生を付着させたホタテの殻を1本の針金に間隔を空けて固定させる。このホタテが何枚も連 なった針金を筏にくくりつけて海中でカキを育てて収穫する。
*4 CoC認証:MSC/ASC認証の製品の製造・加工・流通の全ての過程において、認証水産物が適切に管理され、非認証原料の混入やラベルの偽装がないことを担保する認証。
*5 WCFPC:中西部太平洋まぐろ類委員会。中西部太平洋におけるマグロ、カツオ、カジキ類資源の長期的な保存お よび持続可能な利用を目的とした地域漁業管理機関。米、日、EU、中、韓など26か国、地域が参加している。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ジャパン・サステナブルシーフード・アワード実行委員会プロフィール
■公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)
https://www.wwf.or.jp/
人と自然が調和して生きられる未来を築くため、100カ国以上で活動している地球環境保全団体で、1961年にスイスで 設立されました。現在は、森や海などの生物多様性を保全すること、自然資源の利用を持続可能なものにすること、 地球温暖化を防ぐことに力を注いでいます。
■MSC(海洋管理協議会)日本事務所
将来の世代まで水産資源を残していくために、認証制度と水産エコラベルを通じて、持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際非営利団体です。本部をロンドンとし1997年に設立され、現在は約20か国に事務所をおき世界 中で活動しています。日本事務所は2007年に設立。2019年4月から2020年3月までの期間で、世界約100カ国で18,000 品目以上のMSC「海のエコラベル」の付いた水産品が販売されています。日本では約900品目が登録されており、イ オングループ、生協・コープ、西友、セブン&アイグループ、マクドナルドなどで販売されています。 詳しくはMSCウェブサイトをご覧ください:https://www.msc.org/jp
■ASC(水産養殖管理協議会)ジャパン
https://www.asc-aqua.org/ja/
ASC(水産養殖管理協議会)は、環境や地域社会や人々に配慮した、責任ある養殖により生産された水産物を対象とす る国際的な認証制度です。厳格な審査により認証された養殖水産物は、加工・流通の過程でもCoC認証(MSCと共有) によってトレーサビリティーを担保しています。ASC ロゴは、消費者の方々に自分の購入する商品が持続可能な水産物 であると知らせる力強いメッセージとなります。
■一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局
米国ロックフェラー家当主であるディビッド・ロックフェラーJr.が設立した海洋環境保護NGOの日本支局として2011年 に発足、その後日本の一般社団法人として独立運営の形をとり、世界最大の海洋環境NGOでワシントンD.C.に本部を置 くOceanaとアフィリエイト契約を結んでいます。活動は、「ブルーシーフードガイド」の発行を中心に水産資源の持続 可能な消費の啓発、クリーンレガッタプログラムの運営による海洋スポーツの環境保全基準値設定とプラスチックゴミの削減、KELPプログラムによる子供達の海洋教育の3つのプログラムを基軸に広範に及びます。
■株式会社シーフードレガシー
https://www.seafoodlegacy.com
シーフードレガシーは、社会・経済・環境におけるサステナビリティを念頭に、海と人をつなぐ象徴としての水産物 (シーフード)を豊かな状態で未来世代に継ぐ(レガシー)ことを目指すソーシャル・ベンチャーです。世界を網羅す る幅広いネットワークや専門知識を活かし、国内外の漁業者、水産企業、NGO、政府等と協働して日本の水産業に適 した解決策を描きます。