アメリカ合衆国では2025年を通じて、ホテルやアトラクションなどの新規観光施設の開業や、周年記念行事、国際的なスポーツ大会など、訪米旅行体験を充実させる事象が数多く予定されています。アメリカの食文化を代表する料理の一つ、バーベキューをテーマにしたカンザスシティの「バーベキューミュージアム」、映画や物語の世界観を体験できるユニバーサル・オーランド・リゾートの新テーマパーク「エピック・ユニバース」、アラスカの大自然を舞台にする有名な犬ぞりレース、世界のトップサッカークラブが競い合うFIFAクラブワールドカップなど、世界中の観光客の注目を集める新規オープンやイベントが目白押しの年となります。アメリカの公式観光促進情報サイト、GoUSAではこのたびその概要を公開しました。
2025年中に新規開業するアトラクションおよび宿泊施設:ユニバーサル・オーランド・リゾート内の新テーマパークや、ヨセミテ国立公園の宿泊施設など
アメリカ有数のテーマパークが集まるフロリダ州オーランドにあるユニバーサル・オーランド・リゾート内に2025年5月22日、新テーマパーク「ユニバーサル・エピック・ユニバース」が開業します。敷地面積は既存の倍にまで拡張されることとなり、50を超える没入感溢れるストーリーやスリル満点の新規アトラクションや施設が勢揃いします。新規パークは、人気アニメ映画「ヒックとドラゴン」のエリア、ドラキュラやフランケンシュタインなどのモンスターズがテーマの「ダークユニバース」、「魔法省」と名付けされたハリー・ポッターシリーズがテーマの「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」、庭園と噴水が広がる「セレスティアル・パーク」、「スーパー・ニンテンドー・ワールド」の5つのエリアに区分けされています。
また、近隣のウォルト・ディズニー・ワールドでは、エプコットのシンボル的存在でもある巨大な銀色の球体型をした建造物「スペースシップ・アース」をテーマにしたラウンジがエプコット内に登場し、マジック・キングダム・パーク内には人気映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」をテーマにしたラウンジがオープンします。同パークでは、「アナと雪の女王」や「ミラベルと魔法だらけの家」のキャラクターが登場する夜のパレードや「リトル・マーメイド」、「ズートピア」、ディズニーの悪役達をテーマにしたショーが予定されているほか、「スプラッシュ・マウンテン」の大規模リニューアルを経て、アニメーション映画「プリンセスと魔法のキス」にインスパイアされたウォーターライド「ティアナのバイユー・アドベンチャー」が登場します。このアトラクションは、本年11月にカリフォルニア州アナハイムのディズニーランドにすでにオープンしており、映画の主役キャラクター、ティアナの故郷であるルイジアナ州ニューオーリンズをイメージしたバイユー・カントリーエリア内に登場します。
一方、カリフォルニア ディズニーランド・リゾートは2025年5月16日から2026年夏の期間、70周年アニバーサリーイベントを開催予定で、アフターアワーズイベント「90sナイト」や、パーク創設者ウォルト・ディズニーを描いたアニマトロニクスアトラクション「ウォルト・ディズニー:マジカル・ライフ」が登場します。「ペイント・ザ・ナイト」ナイトタイムパレードや「ワンダラス・ジャーニー」など、人気のナイトショーも復活するほか、ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーでは新たなでデイタイムパレード、「ベター・トゥギャザー:ア・ピクサーパル・セレブレーション!」パレードが開催されます。
アメリカで有数のバーベキューの聖地として知られるミズーリ州カンザスシティには2025年3月、世界初の「バーベキューミュージアム」がオープンします。バーベキューの歴史と文化を掘り下げ、テキサスやノースカロライナ、サウスカロライナ、メンフィス・テキサスなど、地域ごとに異なるバーベキューのスタイルを紹介します。
米国大手旅行専門誌「トラベル・アンド・レジャー」誌の「2025年に行くべき旅行先」に選出されたテキサス州サンアントニオには2025年中、キンプトン サント ホテル、インターコンチネンタル サンアントニオ リバーウォーク、プラザ サン アントニオ ホテル & スパ オートグラフ コレクションなど、本年新規ホテルが続々と開業します。本年11月から宿泊客を受け入れているスペックブーム・ロッジは、同市のサンアントニオ動物園内に立地する、ラグジュアリーリトリート施設として話題を集めています。ホテルの敷地内には、シマウマ、キリン、サイなどが暮らすエリア(ネイラー・サバンナ・ハビタット)があり、動物たちの生活を間近で垣間見ながら宿泊することができます。
1836年のテキサス独立運動のスローガンとして「アラモを忘れるな(Remember the Alamo!)」という合言葉が広く知られていますが、元々はスペインの神父によって建造され、メキシコからの独立を目指したテキサス独立戦争で要塞として使用された伝道所が、アラモ伝道所です。西部開拓時代のアメリカ合衆国の英雄的人物、デヴィッド・デイビー・クロケットを含む、約200名が1836年3月6日に、歴史的な「アラモの戦い」で命を落とした場所として知られています。2025年1月には、地元の歴史、芸術、文化をテーマにした「世界遺産センター」が敷地内に新たにオープンします。
オクラホマ州オクラホマシティには2025年2月下旬、ウォーターパークを中心に据えた複合商業施設、「オカナ リゾート & インドア ウォーターパーク」がホライゾンズ地区にオープンします。ホライゾン地区には、ネイティブアメリカンの芸術、歴史、文化に焦点を当てた「ファースト・アメリカンズ・ミュージアム」と「エキシビットCギャラリー」もあります。市内には、1995年のオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件の犠牲者を追悼する「オクラホマシティ・ナショナル・メモリアル&ミュージアム」や「ナショナル・カウボーイ & ウェスタン・ヘリテイジ・ミュージアム」などもあります。
カリフォルニア州のヨセミテ国立公園では2025年中、改修作業を終えた宿泊施設が続々とオープンします。夏にはキャンプ施設のトゥオルミ・メドウズ・キャンプグランドが、また耐震補強工事を完了したアワニーホテルもリニューアルオープンします。また、公園の近郊エリアには、アウトドアライフスタイルを楽しめるホテル「アウトバウンド・ヨセミテ」や、贅沢なグランピング体験を提供する「アンダー・キャンバス」などの宿泊施設が、新たにオープンします。
ロサンゼルスでは2025年末から2026年初頭までの間に、世界初のAIアートミュージアム「DATALAND」が、巨匠アメリカ人建築家フランク・ゲーリーが設計した複合施設「The Grand LA」内にオープンします。そのほか、ロサンゼルスのブラックコミュニティを称える、全長約2キロに及ぶ屋外ミュージアム「デスティネーションクレンショー」や、ロサンゼルス国際空港には全自動無人運転車両「オートメーテッド・ピープル・ムーバー」が2026年1月に完成の予定です。
バージニア州バージニアビーチには2025年の5月、総面積約8,000平方メートルの、自然の波の技術を利用して1年中サーフィンを楽しむことができるサーフィンパークが目玉となる、複合エンターテイメント施設「アトランティックパーク」がオープンします。広大な新開発エリア内には、高級ブランドのショッピング店舗やダイニング施設、全天候型のアンフィシアター(円形劇場)「ザ・ドーム」なども誕生する予定です。同施設のそばには、国内有数のビーチリゾート、バージニアビーチがあり、大西洋の波で実際にサーフィンを楽しむことができます。バージニアビーチ出身のアーティスト、ファレル・ウィリアムスによる音楽フェスティバル「サムシング・イン・ザ・ウォーター」が2025年4月26日と27日に開催され、5月にはファレルが制作した青春ミュージカル映画「ゴールデン」の公開が控えています。
ナッシュビルからアラスカまで、2025年中に各地で開催される周年記念イベント
オハイオ州クリーブランド郊外に位置するカイヤホガバレー国立公園は、2025年で設立50周年を迎えます。これを記念して、ガイド付きハイキング、風光明媚な列車の旅、リバークルーズ、文化イベントなど、1年を通じて多彩なプログラムが予定されています。クリーブランドの主要観光スポットとしては、歴史的なウェストサイドマーケットや「ロックの殿堂」博物館もあります。
テネシー州ナッシュビルにある伝説的なカントリーミュージックのライブ会場「グランド・オール・オプリ」は来年、1925年の初公演から100周年を迎え、「オプリ100」と題した特別公演や体験プログラムを開催します。一方、テネシー州では、カントリーミュージックの第一人者として知られるアーティスト、ドリー・パートンが手がけるテーマパーク「ドリウッド」も40周年を迎え、彼女の人生をテーマにしたミュージアム「ドリー・パートン・エクスペリエンス」が初めてフルシーズンで公開されます。
バージニア州のシンコティーグ国立野生生物保護区では、毎年7月に開催されているイベント「ポニー・スイム」が初開催から100周年を迎えます。これは、カウボーイが多数の野生のポニーを先導し、ポニーが一斉にアサティーグ海峡を豪快に泳ぐ様子を鑑賞するイベントです。バージニア州にあるアサティーグ島やシンコティーグ島には、美しいビーチや星空観察、カヤック、バードウォッチングを求めて毎年多くの観光客が訪れます。
アラスカの地で、ジフテリアに感染した子どもたちを救うべく、犬ぞりチームが極寒の荒野を約590キロを疾走し、血清を届けた記念すべき時から100周年を迎えます。この歴史的な偉業は、毎年3月1日にアンカレッジでスタートする「アイディタロッド犬ぞりレース」で讃えられています。アンカレッジでは、市内で20年ぶりの新規開業となる、初の高級ブティックホテル「ワイルドバーチホテル」が2025年初頭にオープンします。一方、1925年にジフテリアの血清が届けられた州内西部の街、ノームでは、地元で「血清ラン」と呼ばれるこの歴史的な出来事の100周年を記念して、1月25日から2月2日までの1週間にわたり関連イベントが開催されます。そしてアラスカでは、2025年冬季に活動が活発になると予測される、オーロラ観賞も注目を集めています。
スポーツからプライド、ブロードウェイまで、話題のイベントが2025年を通じて続々開催
2025年6月15日から7月13日まで、FIFAクラブワールドカップがアメリカで開催され、世界各国から集まる32クラブチームが計63試合を戦います。開催都市は、ジョージア州アトランタ、ノースカロライナ州シャーロット、オハイオ州シンシナティ、カリフォルニア州ロサンゼルス、フロリダ州マイアミ、テネシー州ナッシュビル、フロリダ州オーランド、ペンシルベニア州フィラデルフィア、ワシントン州シアトル、ワシントンD.C.、ニューヨーク市郊外のイーストラザフォード(ニュージャージー州)です。決勝戦は、ニュージャージー州のイーストラザフォードにあるメットライフ・スタジアムで行われます。また翌年の2026年には、FIFAワールドカップがアメリカ、メキシコ、カナダで共同開催されます。
NFLのチャンピオンシップゲーム「第59回スーパーボウル」は、2025年2月9日にニューオーリンズで開催され、ハーフタイムショーにはヒップホップアーティストのケンドリック・ラマーが登場します。ニューオーリンズでは、3月4日に華麗なニューオーリンズ・マルディグラのパレードが繰り広げられるほか、4月10日から13日までの「フレンチクォーターフェスト」、4月24日から5月4日までの「ニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテージ・フェスティバル」、そして7月3日から6日までの「エッセンス・フェスティバル・オブ・カルチャー」と、一年を通じて多彩なイベントが予定されています。
2025年5月17日から6月8日まで、LGBTQ+コミュニティを称える世界的なイベント、「ワールドプライド」がワシントンD.C.で開催されます。来年は、プライド関連イベントの50周年を迎える記念すべき年ともなります。パレードやストリートフェスティバル、集会、人権会議、文化プログラムなど、多彩なイベントが予定されています。
2025年、ニューヨークのブロードウェイでは数々の新作が登場します。俳優デンゼル・ワシントンがシェイクスピアの「オセロ」を演じる舞台劇や、トニー賞受賞のミュージカル俳優、イディナ・メンゼルが出演する新ミュージカル「レッドウッド」、HBO製作のドラマ「メディア王〜華麗なる一族〜」で知られる女優、サラ・スヌークが全26役を一人で演じる「ドリアン・グレイの肖像」のワンウーマンショー、人気バンド、ジョナス・ブラザーズのニック・ジョナスが出演する「ラスト・ファイブ・イヤーズ」、Netflixの人気番組「ストレンジャー・シングス」の前日譚「ストレンジャー・シングス:ザ・ファースト・シャドウ」、「ビルとテッドの大冒険」で知られるキアヌ・リーブスとアレックス・ウィンターが共演する新作「ゴドーを待ちながら」など、多彩なラインナップが予定されています。
またニューヨークでは、複数の主要な施設の再オープンが予定されています。ハーレムにあった「スタジオ美術館」は、125番街へと移転し、2025年末の再オープンが予定されています。また、アッパー・イースト・サイドにある美術館「フリック・コレクション」は4月に再オープンし、6月にはフェルメール展を開催予定です。ブロンクス動物園では、夜行性生物をテーマにした展示「ワールド・オブ・ダークネス」が2025年夏季にスタート予定です。
マンハッタン南部にあるユダヤ文化遺産博物館では2025年1月、第二次世界大戦中にアンネ・フランクが家族とともにナチスから隠れていたアムステルダムの家を完全再現した展示が始まります。
ニューヨーク州北部においては、全長約55キロにおよぶアディロンダック・レイル・トレイルの最終区間が2025年に完成予定です。このトレイルでは、サイクリングやバードウォッチングからスノーモービルやクロスカントリースキーなど、一年を通じて様々なアウトドアアクティビティが楽しめます。
アラバマ州では2025年、「アラバマ・トレイルの年」をスタートさせます。このプログラムでは、南北戦争や公民権運動に関連するスポットを訪問する旅程から、バードウォッチング、庭園散策、ゴルフ、狩猟、釣りなど、20のテーマ別旅程をウェブサイトなどを通じて積極的に訴求します。同州の州都モンゴメリーには、黒人のリンチ被害者を追悼する厳粛な「ナショナル・メモリアル・フォー・ピース・アンド・ジャスティス」、バスで白人男性に席を譲ることを拒否した黒人活動家ローザ・パークスの名を冠した「ローザ・パークス・ミュージアム」、そしてマーティン・ルーサー・キング牧師が説教者として活動し名声を得た「デクスターアベニューキング記念バプテスト教会」など、歴史的な重要性を持つ施設が揃っています。
南カリフォルニアの都市、パームスプリングスでは、2月13日から23日まで、アメリカで誕生したミッドセンチュリーモダン建築をテーマにした「モダニズムウィーク」が開催されます。開催期間中、同建築様式、そして関連のアートやインテリアデザインを称える各種イベントやパーティー、展示会が数多く開催されます。またグレーター・パームスプリングス地区全体では、3月8日から5月11日にかけて、入場無料の現代アートフェスティバル「デザートX」が開催されます。
2026年を見据え~ルート66の100周年とアメリカ建国250周年
2026年はアメリカにとって、2つの意味で記念すべき年となります。シカゴからロサンゼルスを結ぶ象徴的なハイウェイ「ルート66」が100周年を迎え、イギリスからの独立宣言が署名された1776年7月4日からの建国250周年を祝うプログラム「アメリカ250」がスタートします。
「マザーロード」という名称でも知られるルート66は、8つの州を貫通する全長約4,000キロにわたるハイウェイです。アメリカならではの「グレート・アメリカン・ロードトリップ」の伝統を築き上げた、ハイウェイ沿いには、クラシックなモーテルや歴史的名所、道路沿いの観光スポット、そして魅力的な小さな町が揃っています。
アメリカ建国250周年の大規模な祝賀イベントは2026年7月4日に開催されますが、建国に至る前の革命戦争の初期の出来事を記念するイベントがアメリカ各地で2025年中にスタートします。アメリカ独立戦争の最初の大きな戦いは、1775年にマサチューセッツ州ボストンとその周辺が舞台となったため、これらの場所では250周年の記念イベントが開催されます。ミニットマン国立歴史公園では、この日を記念して4月19日に戦闘を再現するイベントなどが開催されます。
2025年中に開催されるアメリカ建国250周年の関連イベントは、ペンシルベニア州でも執り行われます。同州のフィラデルフィアで1775年5月、ジョージ・ワシントンが大陸軍の総司令官に任命されました。任命にあたっての会合が行われたのは、後に独立宣言が署名されるインディペンデンスホールで、現在はインディペンデンス国立歴史公園の一部となっています。この公園には、自由の鐘やアメリカ革命博物館、国立憲法センター、歴史的な邸宅や墓地を含む24以上の関連施設があります。
バージニア州では、建国の父パトリック・ヘンリーが1775年3月23日にリッチモンドのセント・ジョンズ大聖堂で「自由を与えよ、然らずんば死を」と語った有名な演説の250周年を記念する博物館展示や関連プログラムが各種開催されます。
アメリカでは2025年を通じて、魅力的な新たな観光施設や記念イベントが続々と登場し、翌年の2026年にはアメリカ建国250周年を祝う数多くのイベントが予定されています。詳細は随時、ブランドUSAの公式ウェブサイト( https://www.gousa.jp/ )にて公開予定です。
「壮大な自然や多様な歴史を巡るロードトリップ、テーマパークやスポーツイベント、ミュージアム訪問など、今こそアメリカへの旅行を計画する絶好のタイミングです。」(ブランドUSAのプレジデント兼最高経営責任者、フレッド・ディクソンのコメント)