大日本印刷株式会社(本社:東京 代表取締役社長:北島義斉 以下:DNP)は、AIを活用して販促物・広告物や製品パッケージの記載内容に関する審査(チェック)業務を省力化する「DNP AI審査サービス(校正・回覧業務)」*1に、生成AIを活用して法令等に定められた制作物の表示に関するルールへの準拠や専門用語に関わる審査を支援する機能を追加し、先行して保険業界に向けて12月4日に提供を開始します。2024年12月中に銀行・化粧品・飲料・食品業界等の関連法令にも対応する予定です。
今回の新機能の実装により、保険の募集文書やパンフレット制作時等に行う審査業務を最大80%削減します。
*1 「DNP AI審査サービス(校正・回覧業務)」について
https://www.dnp.co.jp/biz/solution/products/detail/10159174_1567.html
【開発の背景】
企業では、年間を通じて多くの販促物・広告物や製品パッケージなどが作られており、表現・表記の審査に加えて各種の法令やガイドライン、各社の規定との照合やチェック・審査を行っています。これらの業務は高い専門性が求められ、非常に煩雑で、これまで多くは人手に依存していました。効率化や作業時間の削減を進める上では、属人化からの脱却とともにミスの低減などの課題がありました。しかし既存の校正支援サービスは、データベースの登録情報と制作物の情報を1対1で照合するものが多く、法令準拠の状況など、解釈や判断が必要な内容チェックの支援はできませんでした。
これらの課題の解決に向けてDNPは今回、生成AIを活用して、法令等に定められた制作物の表示に関するルールへの準拠や専門用語をチェック支援する機能を開発し、「DNP AI審査サービス」にこの機能を追加しました。
「DNP AI審査サービス」に新機能を追加により、審査時間の削減率を最大80%まで高められる見込みです。(複数社との実証実験によって算出。)
【新機能の特長】
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「DNP AI審査サービス(校正・回覧業務)」は、制作物の画像や文書を読み込み、画像文字認識AIが画像内にある文字情報を識別・抽出して審査データを生成し、各企業が登録したルールと照合して審査の支援を行っています。今回新たに生成AIを活用することで、法令に定められた制作物の表示に関するルールへの準拠や専門用語のチェックなど、より幅広い領域でのチェック支援に対応します。
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各法律に関わる専門家が監修して作成したガイドライン、企業ごとの基準、本サービスで蓄積した正誤データ等を組み合わせて生成AIに学習させることで、高い精度でチェック・審査業務を支援します。本サービスの実証実験では、複数企業から精度面で高い評価をいただきました。
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AI技術を活用した革新的なソリューションを提供する企業である株式会社Archaicの技術協力を得て、法令や専門用語における審査業務のチェック支援の精度向上を実現しました。
■新機能によるチェック支援について
1.生成AIによる法令観点での審査業務のチェック支援
あらかじめ各法律に関わる専門家が監修し学習した各種制作物の表示に関するルールに基づき、誤認の可能性がある表現を指摘して、代案の文章を提示します。法令を踏まえた各事業の独自ルールを設定することも可能です。
2.生成AIによる専門用語・固有名詞のチェック支援
利用者独自の専門用語や固有名詞の誤表記に対して間違いを指摘します。従来は想定される誤表記のパターンを全て事前登録する必要がありましたが、生成AIの類推機能の活用によって、正しい言葉を学習させるだけで、多様なパターンの類似の誤表記を指摘できるようにしました。
3.その他チェック機能
日本語・英語等の文法、ロゴマーク、文字サイズ、注意文言、料金表などのチェック支援にも対応しています。
【今後の展開】
DNPは今後も対応する法令の拡充を図るとともに、「DNP AI審査サービス」の機能拡充を進め、企業の業務効率化を支援していきます。本サービスを保険業界や銀行・化粧品・飲料・食品業界等を中心に提供し、関連するサービスを含め、2025年度に年間10億円の売上を目指します。
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