AOSデータ社「データドリブン、AIドリブンによる経営戦略と生産管理を学ぶ」第4回AI-MIS™︎(経営情報システム)×AI/DXフォーラム開催レポート

日本のDX推進の課題解決に貢献するため、AOSデータ社は各業界で活躍されているベンダー様と共に協力しながらAI基盤の経営統合管理システム「AI-MIS」の普及に推進しており、2024年10月25日に「AI-MIS×AI/DXフォーラム」 ~AI基盤経営情報システム 生産管理部門DXとベストオブブリード〜というテーマで。日経ホール&カンファレンスルームにてフォーラムを開催し、多くのお客様にご参加いただきました。

■ご挨拶

「AI-MIS×AI/DXフォーラ生産管理」 AOSグループ 代表 佐々木隆仁

「AI-MIS(AI経営情報システム)× AI/DXフォーラム」は第4回目を迎えました。今回は「生産管理部門のDXとベストオブブリード」をテーマに、フォーラムを開催いたします。生産管理部門には製品の需要予測や在庫管理、品質管理などといった課題があります。そのため、国内のGDPの約2割を占めると言われている製造業に大きく関わる生産管理部門の課題を解決することには非常に大きな意味があります。ますます人口が減少していく日本社会を支えるには、近年大きな成長を遂げているAIを活用し、いかにして業務を効率化し、生産性を向上していくかが鍵となります。本フォーラムでは、実際に生産管理部門の最先端で活躍されている講師の方々をお招きし、課題解決のヒントとなる貴重な講演をお届けいたします。

■Session1

「Google 10X活用で製造業のデジタル変革をフルスピード実現させる秘訣」

一般社団法人10Xデザイン協会 理事長イーディーエル株式会社 代表取締役社長 平塚 知真子 氏

イーディーエル株式会社の平塚氏からは、Googleツールの活用による生産管理分野でのDX推進について講演いただきました。平塚氏は累計8000万部のベストセラー「できるシリーズ」の著者であり、Google認定トレーナーとして日本商工会議所と協力し、組織全体でのDX化を支援しています。「2525プロジェクト」では、AOSデータ社と協力し、商工会議所の会員企業125万社の2割へのスモールDX導入を目指しています。 

特に、西日本食品工業株式会社の事例では、Googleツールの導入により、紙ベースの業務からリアルタイム情報共有やオンライン会議が可能になり、迅速な経営判断が実現されました。また、紙データのPDF化によるデジタル化にとどまらず、クラウドを利用して社外でもデータを共有できるクラウド化の体制の整備が重要であることを強調しました。

イーディーエル株式会社は、GoogleフォームやAppSheet、Looker Studioを活用して、高価なAIコンサルに依存しない、低コストかつ迅速なDX化と社内DX人材の育成を支援しています。これにより、スモールDXから大規模な組織変革へとつなげることを目指しています。

■Session2

「5人からの企業でもAI活用を可能にするAI-MISベストオブブリード 生産管理」

AOSデータ株式会社 CTO 志田 大輔

AOSデータ社の志田は、生産管理におけるデータ一元化とDX推進の重要性について講演しました。特に、小規模工場では、紙ベースの資料など、データの分散が深刻化しているため、知識やノウハウを十分活用できていない現状を指摘しました。この課題に対し、志田は各企業の各業種、規模や経営方針に応じた適材適所の「ベストオブブリード」アプローチの重要性を強調し、データの統括と集約といったデータのインフラを整える「IDX」( https://www.idx.jp/ )プラットフォームを提案しました。

IDXは「データをためる」「データを使う」「データで変える」の3ステップでデータの一元管理を実現し、AIによる予測分析や品質管理などの業務効率を改善します。また、IDXにはランサムウェア対策、メタタブ機能、バージョン管理機能などが組み込まれており、データの安全性を高めると同時に、効率的なデータ管理と活用を実現します。さらに、12月には小規模言語モデルS L M活用した新たなAI機能が追加される予定で、ITの専門知識がなくても生産管理部門で効率的かつ安全に利用できる環境の構築が期待されています。

実際にGoogleアップシートを活用して、IDXとデータ連携する小規模事業者においての生産管理システム構築例を見せることで、大掛かりな生産システムを導入することが困難な事業体でもDXを低コストで実現できることデモでご紹介しました。

■Session3

「BOMを中心としたデータ戦略」 

大興電子通信株式会社 ビジネスクエスト本部 インダストリー推進部部長 田幸義則 氏

大興電子通信株式会社の田幸氏からは、BOM(部品表)を中心としたデータ戦略の重要性について講演いただきました。BOMは、製品製造に必要な部品情報や構成データを含み、製品の全体構造を明確化するための基盤として機能します。また、現在のDXが生産部門や受注部門などの個別工程改善にとどまっており、さらに全体プロセスの最適化には至っていない課題を指摘しました。

この課題に対応するためにBOMを活用した部門間でのシームレスなデータ共有と統合管理の実現により、効率的な生産、モジュール化、標準化を推進します。また、同社の「トコトン伴走プロジェクト」を通じてDXの導入から運用までを包括的に支援し、デジタル化による業務の最適化と自動化を目指します。これにより、人材リソースの効率的配置、製品品質の向上、迅速な経営判断が可能となり、持続的な全体プロセスの最適化が期待できます。データ戦略としてのBOM活用は、今後の製造業の進化において重要な役割を果たすでしょう。

■Session4

「属人化する設計業務を形状検索が解決」 

デジタルプロセス株式会社 パッケージビジネス推進部 部長 百木 なおみ 氏

デジタルプロセス株式会社の百木氏からは、3D形状検索による属人化業務の改革といったテーマで講演していただきました。デジタルプロセス株式会社は、富士通グループで培ったDXのノウハウと、日産自動車(株)で培ったものづくりの技術領域を統合したビジネスを展開しています。本フォーラムではパッケージビジネスに焦点を絞り、その中のSpace Vertexというサービスについて実例とともにご紹介します。

 Space Vertexというサービスは、主に3Dデータを活用した類似形状検索による業務の効率化を目的としています。設計や試作段階においては、不必要な新規での設計・製造や、長時間にわたる過去の類似部品検索が課題となっていました。この課題にSpace Vertexを使用することで、類似した部品を迅速に検索できるようになります。3Dの形状から検索するため、2Dデータよりも高精度な検索が可能となります。また営業の見積もり業務においても、見積もりの検討時間が十分に取れなかったり、データ探索に時間がかかったりするといった課題がありました。こうした課題に対して、Space Vertexを導入することで、過去の類似部品との差分のみで見積もりを作成できるようになり、見積もり業務の高速化が実現されます。Space Vertexは無料トライアルも準備しており、環境構築や操作教育のサポート提供いたします。

■Session5

「ノンカスタマイズ生産管理SaaSによる製造業の改善事例紹介」

株式会社ネクスタ 経営企画部部長 成澤 廉 氏

株式会社ネクスタの成澤氏からは、ノンカスタマイズ型生産管理SaaS「SmartF」による製造業の改善事例について講演いただきました。SmartFは製造フローに特化し、手書きやエクセルからの脱却を図り、バーコード入力とチェック機能で現場の工数削減と正確性向上、業務効率化を支援します。150以上の豊富な機能と柔軟な拡張性により、企業ごとのニーズに応じた低コストのDX推進が可能です。

SmartFは、カスタマイズによる高コストのDX化ではなく、機能のアップデートを活用することでコストを抑え、効果的に導入を進めます。さらに、導入支援とコンサルティングによる手厚いサポートにより、最小限の機能からスモールスタートが可能で、初期設定やマニュアル提供によって現場への導入もスムーズです。また、既存のSaaS型システムや他の業務システムとも連携し、システム全体の活用を促進します。

SmartFは産業装置、食品、医薬品といった幅広い業界で実績があり、ロット管理や品質管理、納期管理などの機能を通じて、現場の効率化だけでなく、企業の新たなサービス開発や事業成長も支援します。

■Session6

「スモールスタートで始める生産管理DX」 

CMA株式会社 代表取締役社長 鷲見 哲雄 氏

CMA株式会社の鷲見氏からは、SaaS型生産管理サービス「Othello Connect」のメリットと特徴について講演いただきました。「Othello Connect」は、中小規模製造業向けのSaaS型生産管理サービスです。SaaS型のサービスは低コストで導入でき、かつ迅速に導入できる点が大きなメリットです。さらに、導入前に自社との相性をテストして運用できるという点で運用後のリスクを低下することができます。特に生産管理システムの業務は多岐に渡るため、段階的に導入をし、その効果を検証していくことが重要になります。こうしたニーズに応えるために開発した製品「Othello Connect」は、海外に工場を持っている企業などでもスムーズに利用できるように多言語に対応しているのがひとつの特徴です。また、段階的な導入が可能で、APIによる他社のサービスやツールとの連携も可能です。

海外ではインドネシアの工場での導入事例があり、日報をクラウド化して、日本でもリアルタイムに確認ができるようになり、作業連携の強化を実現しました。国内の導入事例では、コストの削減や機能の再定義による生産管理システムの最適化を実現しました。

■クロージング講演

「AI×生産管理」 

一般財団法人日本情報経済社会推進協会 JIPDEC 常務理事浦安市CIO補佐官

静岡県デジタル戦略顧問 坂下 哲也 氏

JIPDEC常務理事の坂下氏からは、生産管理におけるAIの活用といったテーマで講演をいただきました。AIはこれまでのコンピュータ技術の進歩に加えて、2017年のTransformerの登場により、大きな進化を遂げました。本フォーラムのテーマである生産管理においても、AIの適用範囲は広く、様々な成功事例が徐々に増えてきています。水産総合調査会によると、自動給餌システム生産管理システムを導入し、従来の水産業をAIによってスマート化したことで、大手事業者は収益性や生産性、労働雇用を拡大し、地元では雇用の拡大などといった様々な効果が得られました。その他にも、旭鉄工やハーレーダビッドソン、ニチレイなどといった企業でも、生産管理をDX化したりAIを導入したりすることで様々な効果を実証しています。

しかしながら、こうしたDX化には企業のトップによる意志決定や、設備・人材に関する壁がいくつも存在します。この壁を突破していくには、経営と社員が一体となってプロジェクトを進めていくことが重要になります。

 今後、ますます人口減少が見込まれる日本では、人手不足により担えなくなる仕事が出てきます。そんな中でも社会資本が維持され、社会生産が高まるようにしなくてはなりません。そのために、政府では産業データ基盤やウラノスエコシステムなどが取り組まれています。ウラノスエコシステムはデータを利活用することで、個々人の需要に合わせてサービスを供給する仕組みです。このことからもわかるように、これからは「重要中心社会」に変わっていくことが予想されており、そのためには壊れていく価値や新たな価値を探求する必要があるのではないかと問題提起しました。

【AOSデータ株式会社について】

名 称:AOSデータ株式会社 代表者:佐々木 隆仁

設 立:2015年4月 所在地:東京都港区虎ノ門5-1-5 メトロシティ神谷町ビル4F

資本金:1億円(資本準備金15億2500万円) 

URL: https://www.aosdata.co.jp/

AOSデータ社は、データ管理技術で知的財産を守る活動を続けており、企業8,000社以上、国内会員90万人を超えるお客様のデータをクラウドにお預かりするクラウドデータ事業、20年に渡り100万人以上のお客様の無くしてしまったデータを復旧してきたデータ復旧事業、1,300万人以上のお客様のデータ移行を支援してきたシステムデータ事業で数多くの実績を上げてきました。データ移行、データバックアップ、データ復旧、データ消去など、データのライフサイクルに合わせたデータアセットマネジメント事業を展開し、BCNアワードのシステムメンテナンスソフト部門では、15年連続販売本数1位を獲得しています。

捜査機関、弁護士事務所、大手企業に対して、証拠データのフォレンジック調査や証拠開示のEデイスカバリサービスで数多くの事件の解決をサポートした技術が評価され、経済産業大臣賞を受けたグループ企業のリーガルテック社のリーガルデータ事業を統合し、今後一層、データコンプライアンス、AI・DXデータを含めた「データアセットマネジメント」ソリューションを通して、お客様のデータ資産を総合的に守り、活用できるようにご支援することで、社会に貢献いたします。

また、 防衛省の若手隊員の登用・育成を促進し、優秀な人材確保・育成に寄与することを目的として作られた若年定年制度を支援し、先端技術のエンジンニアキャリアが活かされる産官連携で日本社会に貢献します。