株式会社シーマン人工知能研究所(本社:東京都新宿区新宿1-7-10 グランドメゾン新宿御苑1108 代表:斎藤由多加)は、2022年から「福島イノベーション・コースト構想(以下、福島イノベ構想)」に参画し、高齢者向けのおしゃべりAI見守りスピーカーを、浜通りを拠点に開発してきました。その実用化に向けた実証実験を福島県川俣町で12月から実施するにあたり、正式に実証実験参加者(モニター)の募集を開始しました。それにあわせ、モニター募集に関する説明会を川俣町にて開催します。
【本事業について】
本事業は、福島イノベ構想のもと設立された「地域復興実用化開発等促進事業費補助金」の採択を受け、浜通り地域等の復興に資するものとして展開しています。
2022年3月28日に福島県川俣町と 「AI生活会話見守りスピーカーを活用した快適な地域社会の構築に向けた事業連携協定」を締結し、川俣町の協力のもと開発を進めてきました。
川俣町は東日本大震災および原子力災害により大きな被害を受けた地域です。そのもっとも顕著なこととして、若者が土地を離れ、急速な高齢化が進み、町民の50%以上が60歳以上という状態になっていることがあげられます。
本事業は、いま注目されるAIという最先端の技術を使い、川俣町の高齢化問題に向き合い、復興を後押しするという貢献を意図しています。
【当社独自のAI会話生成エンジン】
本事業の中核にあるのがAIの技術です。
しかし昨今のブームの中心にあるGPTに依存したものとは異なります。
シーマン人工知能研究所は、人面魚による人工会話の先駆的商品といえるゲーム『シーマン~禁断のペット~』の開発者によって起業されたベンチャー企業です。
100万人ユーザーを擁するエンターテイメント業界での知見をもとに、GPTとは別の独自制御エンジン(SwitchingSystem)により、GPTの能力を引き出し、かつ「楽しませる会話」を生成することに主眼を置いて、本AIは開発されています。
【本事業の社会的意義】
日本の総人口に占める高齢者人口の割合は年々上昇が続き、2021年には29.1%に到達。2040年には35%を超えると予測されています。
実証実験を行う川俣町においては、人口12,170人(外国人を含む)のうち、60歳以上の割合は50.1%と高い水準となっています(2020年10月1日現在)。とくに山木屋地区は原発事故による避難地域となり、それをきっかけに人口減少、高齢化が深刻化しています。
川俣町に限らず、今後ますますひとり暮らしの高齢者が増えることが予想されていますが、ひとり暮らしの高齢者が安心して暮らせる社会の構築、孤独感の解消への対策はいまだ社会実装されていないのが現状です。
このような背景から、本事業を実施することは社会課題の解決に向けたひとつの提案でもあり、挑戦でもあるととらえています。
また、SDG’sでは、3番を中心に、9、11に貢献するものです。
【AI見守りスピーカー「俣兵衛」の3つ特徴】
AIの技術を活かし、ひとり暮らしの高齢者の暮らしを穏やかに見守るために、本製品には以下の3つの特徴を持たせました。
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あたたかみのある日本語会話
当社はゲーム制作会社を母体とし、創業当初から、自然な日本語でやりとりができる会話エンジンの研究・開発を進めてきました。
型にはまった一問一答の無機質な会話ではなく、話の文脈を記憶し、相手に合わせて話題を広げたり、さりげなく日々の行動を確認したり、ときにツッコミを入れる。
本製品が目指すのは、そんな人と人とがごく普通にかわす、自然な言葉のやりとりです。AIによるあたたかみのある会話が、高齢者の孤独感をやわらげ、QOLを向上させると考えています。
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川俣町の伝承にもとづいたキャラクター設定
見守り機器とはいえ、利用者には機械に監視・管理されているといった緊張感を与えず、より楽しく使っていただきたいと当社は考えます。
今回の試みでは、見守りスピーカーに「俣兵衛」という名前のキャラクターをつくり、甘え口調やヤキモチ焼きな性格を付与しました。川俣町の乳子岩(ちごいわ)にまつわる伝承(口減らしのため、乳飲み子を岩穴に捨てたというもの)をベースとし、「天真爛漫ながら、母親への強い憧れを持ちあわせ、ときにヤキモチを焼くような子どもの妖怪」というキャラクターとして言語を生成しています。
また、「俣兵衛」の声はオーディションに合格した川俣町在住の小学生のかたの音声をサンプリングし、AI技術によって生成しています。
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一人ひとりのライフスタイルに合わせてカスタマイズ
川俣町との連携のもと、町内各種団体の協力により、利用する高齢者の服薬状況や緊急連絡先などの基本情報のサーバー設定を事前にカスタマイズすることで、ご要望に応じ一人ひとりに合わせて発話内容を変えることが可能です。
心身不調時の早期発見にもつながるなど、高齢者、ご家族、地域の安心安全を確保しながら、より高齢者の暮らしに寄り添う仕様となっています。
【モニター募集概要】
・募集内容:「俣兵衛」を実際に使用してくださるモニター試験参加者を募集します。
・対象者:川俣町在住の65歳〜85歳程度のかた(聴覚が健常なかた)
・実証実験期間:2024年12月中旬〜2025年1月末日(おひとり様10日間程度を予定)
・募集人数:先着限定50名様(定員になり次第募集を終了いたします)
※本来はひとり暮らしのかた向けの製品ですが、今回は実証実験のため、ご家族とお住まいのかたもお試しいただけます。
※スピーカーを利用されるかたが川俣町在住であれば、お申し込み者が他の地域にお住まいでもお申し込みいただけます。
【モニター募集に関する説明会詳細】
・日時:
1回目11月22日(金)19:00~19:30
2回目11月24日(日)10:00~10:30
(両日とも同じ内容です)
・場所:川俣町役場 3階大会議室 (〒960-1492福島県伊達郡川俣町字五百田30番地 )
・説明会に関するお問い合わせ:
川俣町政策推進課 まちづくり推進係(電話:024-566-2111 内線2451)
【主催・お問い合わせ】
株式会社シーマン人工知能研究所 いわき支社
〒970-8026 福島県いわき市平字田町120番地 LATOV(ラトブ)6階 いわき産業創造館内 M2
担当者名:小林克行
メールアドレス:press@seaman.ai
【協力】
川俣町は、県庁所在地の福島市に隣接し、東北地方の一番南にある福島県の北部に位置している、人口約11,000人の町です。また、当町の南東部にある山木屋地区は、東日本大震災による原発事故の影響による避難指示区域の指定を受け、震災以降約7年もの間居住が制限されていましたが、2017年3月に避難指示が解除され、現在では少しずつ住民も戻り始め、復興に向けた歩みを進めている状況です。
一方で、町は、少子化、高齢化(高齢化率40%以上)、地域コミュニティの維持、原子力災害からの復興など、町単独では解決が難しい課題について様々な課題を抱えていますが、これらの課題を解決するために住民の皆様や様々な知見・技術を持つ民間企業と連携し、課題解決に向け取り組んでいくこととしています。
現在、町はシーマン人工知能研究所様と連携協定を締結し、高齢者の皆様が、安全に、そして、安心して生活できるための仕組みづくりを行っています。この実証事業をとおして高齢の皆様や高齢者を支える方々が安心して生活できる社会の構築に寄与できるよう取り組んでいきます。
>>川俣町公式HP
1988年4月設立。携帯電話サービス「mineo(マイネオ)」、法人向け情報通信サービス、クラウドサービスや自社運営のデータセンター、関西エリアで家庭向け光インターネットサービス「eo(イオ)」などを提供している、関西電力100%出資の情報通信企業です。
当社は、企業・個人のビジネスアイデアと、オプテージの通信インフラを組み合わせることで、「IoX(Internet of 何か)」を共に創り、社会課題の解決を目指す新規事業創出プログラム「DENPAto(でんぱと)」を運営しています。
この度、「日本社会から“孤独“を無くしたい」というシーマン人工知能研究所様の目標に共感し、高齢者見守りAIスピーカー「俣兵衛」への当社の通信インフラの提供を通して、「高齢者の孤独」という社会課題解決を目指します。