「オフィスを離れても チームは分裂させない!」
ハーバード・ビジネス・スクール教授(組織行動学)の緊急提言
2020年初頭、未知のコロナウイルスの出現により、全世界で広まったリモートワーク。しかしリモートワークという働き方そのものは、決して目新しいものではなく、すでに30年近く前から実施されていました。
ハーバード・ビジネス・スクール教授であり、20年近くにわたって、リモートワークやグローバル組織の研究を重ねた著者が、「信頼構築の新しいプロセス」と「リーダーの新しい役目」など、リモートワークにおける「ベストプラクティス」をまとめた本書。リーダーとメンバーの双方がバーチャルチームワークのスキルを強化することで、これまでは手の届かなかったような成果を達成できる、その方法論を知り、エクササイズにより実践への筋道をつけられます。
- 30年以上かけて徐々に明らかになった、リモートワークの効果や方法論
シリコンバレーで本格的なリモートワーク体制を敷く企業が現れたのは1990年代。その後も各企業がリモートワークを導入し、社員の生産性の向上を認めています。この長年の蓄積によって、リモートチームの生産性の上げ方、効果的なデジタルツールの活用法、グローバルチームが文化や言葉の壁を超えて成果を上げる方法が、徐々に明らかになりました。
- コロナ禍でのリモートワークへの急激なシフトが生んだ、リーダーの悩みと社員の孤独感
そして2020年、新型コロナウイルスの出現によって、世界中の働き手がリモートワークへの急激な移行を強いられました。従来の「同じ職場にいた」から可能だった、密なチームワークを前提とした業務プロセスは、いまや多くの企業で修正が必要となりました。リモートチームのリーダーにとって、離れた場所にいる部下のやる気や生産性をどうやって維持するか、仕事の進捗をどのように監督するか、チームメンバーの孤独へのケア、同僚同士の信頼関係の構築、はたまた「テクノロジー疲れ」の回避は喫緊の課題として浮上したのです。
- 差し迫った課題の解決策と実践的ガイダンスの提供
本書の著者は、企業各社の何千ものグローバルチームを対象に、リモートワークやグローバル組織の研究を続けてきました。その過程で気づいたのは、リモートチームの持続的成功のためには、日々の業務に自然に取り込んで習慣化できるような地道な施策を打つのがいちばん効果的だということです。リモートワークには、必須の成功条件があります。本書では、著者が長年をかけて見い出した「ベストプラクティス(最も効率の良い方法)」を余すところなく紹介します。巻末に掲載の、章ごとのエクササイズでは、各章の内容への理解を深め、反省や学びや実践をしていただける構成になっています。
世界に分散したリモートワークは、この先、長期的には「働き方の主な選択肢の一つ」として定着するでしょう。働き手と組織の両方を大きく成長させてくれる「リモートワーク・マネジメント」の手法を、本書でぜひ習得してください。そして、次に来る新たなグローバル危機に備え、どんなときも乗り越えられる強いチームをつくりましょう。
★★ ビジネス界の著名人も多数推薦 ★★
仕事での信頼関係の大切さは、私も常々語っているところだ。部下の信頼を勝ち取ることも大事だし、顧客との信頼関係構築も大事だ。本書は、デジタル環境にあっても信頼関係や絆を構築・維持するための道筋を示してくれる。
―― エリック・S・ヤン(Zoom社創業者兼CEO)
ニーリーは20年近くに及ぶ研究を踏まえて、どうすればポストコロナの働き方にバーチャル要素を生産的な、かつ楽しめる形で組み込めるのかという重要な疑問に答えを出してくれる。今後、コロナ以前の働き方に戻る人はほとんどいないだろう。本書を読んでいますぐ、コロナ・パンデミックの隠れた一面への備えを始めよう。
―― ラリー・カルプ(ゼネラル・エレクトリック(GE)社CEO)
本書は、詳細な研究にもとづく知見や実例を引きつつ、距離やタイムゾーンを隔てた分散型チームが信頼とインクルージョンに根ざすチームカルチャーを構築・維持する秘訣を解き明かす。離れていても真のチームワークを実践するためにはどうすればいいかを教えてくれる本だ。内容はデジタルツールから、ソーシャル・キューや社員のバックグラウンドの重要性までと幅広い。本書は課題を乗り越え、持てる可能性を長期的に最大限発揮することを目指すあらゆる組織にとって指針となるだろう。
―― エリック・リース(ロングターム・ストック・エクスチェンジ(LTSE)社CEO、『リーン・スタートアップ:ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす』著者)
長期的戦略の一環として導入するにせよ、パンデミックのせいでやむなく実施するにせよ、リモートワーク体制を成功させるにはシステマティックなアプローチが必要なことに変わりはない。信頼関係とインクルージョンという基盤さえ築ければ、バーチャル環境でもチームが結束して生産性を発揮することは可能だ。そのための知的枠組と行動を教えてくれるのが本書である。著者が長年の現場リサーチを踏まえて提示する数々の貴重な教訓に学ぶか否かが、新時代において単に生き延びるだけに終わるか、それとも成功するかの分かれ目になる。
―― デビッド・L・ジュンタ(米ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ社長兼CEO)
<目次>
はじめに
第1章 リモートチームを軌道に乗せるローンチ(リローンチ)・ミーティングの開き方
・チーム目標を軸にしてメンバーの方向性を一致させる
・チーム内のコミュニケーション規範を設定する
・リーダーのコミットメントを示す など
第2章 リアルで会う機会がほぼない同僚と信頼関係を築くには
・信頼の度合いはさまざま
・情報が信頼を強化する
・リモートで顧客と信頼関係を構築するには など
第3章 リモートチームの生産性を上げるには
・リモートワークは生産性向上に有利
・リモートワーカーには仕事がしやすい環境が必要
・リモートワークに向く仕事とは? など
第4章 リモートワークでのデジタルツール活用法
・テクノロジー疲れ
・リッチメディアとリーンメディア
・ソーシャルツールを活用しよう など
第5章 アジャイルチームがリモート環境で活動するには
・アジャイルチームはソフトウェア開発限定ではない
・ユニリーバのデジタル化とアジャイルチーム
・リモートアジャイルチームのベストプラクティス など
第6章 グローバルチームが文化や言葉の違いを超えて成果を上げるには
・心理的距離を縮める
・インクルーシブなミーティングを実現するには
・教え合いサイクル など
第7章 リモートチームのリーダーが知っておくべきこと
・リモートチームのリーダーシップとは
・「1 勤務地」という課題
・「2 上下関係」という課題
・「3 身内VS他人」という課題 など
第8章 リモートチームがグローバル危機に備えるには
・VUCA――現代世界のあり方
・状況をフレーミングせよ
・行動せよ! など
まとめ:リモート環境で成功する――「グローバル危機に備える」
エクササイズ
<商品情報>
【タイトル】リモートワーク・マネジメント
【サブタイトル】距離と孤独を乗り越える強いチームづくり
【URL】https://www.alc.co.jp/entry/7021003
【価格】2,200円(税込)
【サイズ】四六判、344ページ
【ISBNコード】9784757436954
【著者】セダール・ニーリー(Tsedal Neeley)
【著者プロフィール】ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)のネイラー・フィッツヒュー記念講座組織行動学教授。グローバル戦略やデジタル戦略の策定・実施を通した組織規模拡大手法を主な研究テーマとする。バーチャルワークや大規模変革――グローバル化、デジタル化、アジャイル化など――に関する、企業各社のアドバイザーとしても活躍。ブライトコーブ社、ブラウン・キャピタル・マネジメント社、ハーバード・ビジネス・パブリッシング社、パートナーシップ社取締役。楽天グループの研究機関である楽天ピープル&カルチャー研究所諮問委員。著書に、楽天のグローバル化の歩みの舞台裏を綴った『英語が楽天を変えた』(河出書房新社)がある。
【翻訳者】山本泉
[アルクとは]
アルクは、1969年4月の創業以来、半世紀にわたって、企業理念として「地球人ネットワークを創る」を掲げ、実践的な語学力を身につける教材の開発をすすめてきた語学教育総合カンパニーです。2021年に創刊50周年を迎えた英語学習情報誌『ENGLISH JOURNAL』をはじめ、受講者数延べ120万人の通信講座「ヒアリングマラソン」シリーズ、書籍、研修、eラーニング教材、各種デジタルコンテンツの提供など、語学分野における学習者向けの様々な支援を行っております。 https://www.alc.co.jp/