- 2020年度業績サマリー
当期の業績は、売上高6,706百万円(前年同期比101%増)、経常利益1,187百万円(同141%増)、当期純利益817百万円(同162%増)となりました。コロナ禍において、過去最高売上・利益を達成し、10年連続増収、年平均成長率(直近10期)は10.5%となります。
- 過去最高売上・利益および10年連続増達成の要因分析
①コロナ禍での顧客注力事業への「選択と集中」ができたことが奏功
2020年度上期については、新型コロナウイルス感染拡大を受けた各種行動制限の影響により、顧客業種によって販促活動を抑制する動きが見られました。
しかし、オンラインやデリバリー事業など、コロナ禍におけるお客様の注力事業への「選択と集中」を進めたことで、前期全体として、過去最高売上・利益を達成することができました。
②従来の印刷ビジネスから脱却し、顧客の「時間創造」&「PL改善」という価値提供を実現
「水上印刷」という社名でありながら、印刷による売上は売上全体の約30%に過ぎません。過去10年にわたって、企画・デザイン、マーケティング、デジタル・システム化、ロジスティクスまで一気通貫でおこなうフルサービスカンパニーとして事業転換を実施。あらゆる顧客の“非効率”を解消し、煩わしい業務負担から顧客を解放することで、顧客の時間創造を実現するとともに、潜在・顕在コストの削減により、顧客のPL改善に貢献するということにこだわってきました。
- 水上印刷のフルサービスが目指す「非効率の改善」人件費4.5億円の削減効果も
日本の労働生産性は主要先進7か国において最下位の状況が続き、その中でも従事人口の多い小売業においては、米国の生産性水準を100%とした場合に約32%の生産性しかないという結果※も出ています。水上印刷は、特に小売業が抱える生産性の課題に着目し、店頭販促という切り口から物流・製造費の削減やオペレーション改善を行っています。
※参照 公益財団法人 日本生産性本部「生産性レポート Vol.13」
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/10bad8fb307149202fee4c4be50b5f9d_1.pdf
- 販促物の管理集約・個店配送モデル
各メーカーや制作会社から届く販促物を水上印刷に集約し、個店ごとに「必要なものを必要な数だけ届ける」仕組みを構築します。店舗は販促物の荷受け回数が削減され、販促本部では物流費と製造費を削減します。作業負荷と費用面の改善と同時に、CO2排出の削減から環境面での改善効果も見込めます。
https://www.mic-p.com/service_themes/serv_th_01
水上印刷ではこの仕組みを大手コンビニエンスストア企業に提供し、販促物の発送・製造の集約によって配送/製造コストの約20%をカット。同時に、必要な販促物のみが届くことで、販促物の取り付け・取り外しにかかっていた時間が1店舗につき週あたり約30分の短縮につながりました。これは全国展開するコンビニでは、人件費が年換算で4.5億円削減された計算となります。
こうした「非効率」を現場目線の改善で解消していくことで、店頭販促のオペレーションに新しいスタンダードを作り、小売業での更なる生産性向上を目指していきます。
- 水上印刷株式会社 代表取締役社長 河合 克也
2002年、早稲田大学商学部を卒業後、株式会社キーエンスに入社。2007年より水上印刷の経営戦略に参画し、経済産業省商務情報政策局情報政策課への転籍を経験した後、2014年に代表取締役社長に就任。
「製造とサービスの融合」を核にビジネスモデルを掲げ、その基礎となる「ひとづくり」を経営の中心に据える。「お客様の面倒くさいをすべて引き受ける」をコンセプトに、マーケティング、クリエイティブ、ものづくり、 フルフィルメント、ロジスティクス、ICTを自社で一貫して保有し、小売流通企業の販促プロセスにイノベーションを起こしている。2018年 東京都「経営革新最優秀賞」、2019年「Great Place to Work 2019 ベストカンパニー」受賞
- 会社概要
会社名 :水上印刷株式会社
所在地 :〒160-0023 東京都新宿区西新宿5-14-3
創業 :1946年7月1日
代表者 :代表取締役会長 水上 光啓
代表取締役社長 河合 克也
事業内容:ビジネス・プロセス・アウトソーシング、マーケティングオペレーション改善、販促プロモーション支援、デジタルコンテンツ制作&配信、ICTシステム開発、クリエイティブデザイン、印刷製造、電子機器キッティング、フルフィルメント&ロジスティクス、事務局・コールセンター業、人材派遣、データ分析&改善コンサルティング
コーポレートサイト: https://www.mic-p.com/