これまでスキー場やリゾート施設といったリアルな顧客接点において利用者の不満点や改善要望を収集するには、紙のアンケートを配布するかインタビューにご協力いただく等運用負荷の高い手法に頼らざるを得ませんでした。しかしながらコロナ禍において運営スタッフの効率的な業務推進やサービスの非対面・非接触化ニーズが高まる中、スマートフォンを活用した業務変革や効率化、いわゆるDX=デジタル・トランスフォーメーションの推進が強く求められております。
一方で、収集・集計・分析を効率化するオンラインアンケート用のQRコードをリアルな顧客接点に設置する手法も一般化してきましたが、オンラインでの利活用を前提とした多くのアンケートシステムは「リアルな顧客接点」に最適化されておらず、「収集」を目的とする事業者の狙いと「レジャー・余暇の充実」を目的とする利用者の意識とが乖離していることから十分な効果を上げにくいのが実情です。
当社は今回の東急リゾーツ&ステイとの取り組みにおいて、同社が運営するスキー場4施設に合計1,000箇所を超える新たなタッチポイント=スマートプレート(スマートフォンをかざすだけで様々なデジタルコンテンツをダイレクトに配信するバッテリー不要のNFCタグ内蔵デバイス。QRコードからも利用可能)を設置、スマートフォンをかざしてチャット形式の数問のアンケートに答えるだけで施設内各所で使えるドリンク割引券やオリジナルステッカー引換券がもらえる「スマイルUPキャンペーン」のシステムを提供いたしました。さらに本システムでは、アンケート回答後(特典取得後)に施設内各所のスマートプレートから利用施設の満足度や改善要望をスマホ上の簡単なボタン操作で伝えることで、同社のホテルで利用できる宿泊券等があたるルーレットチャレンジに一日一回参加することもできます。
「スマホをかざすだけ」というシンプルな共通アクションで施設利用者にはお得なクーポンや抽選参加といった体験価値を提供し、施設運営者には利用者から寄せられた「生の声」を提供することで両者の目的のねじれを解消、こうした「生の声」をダッシュボードで可視化することで迅速なサービス改善に役立て、利用者の体験価値をさらに向上させる循環型のサービスを実現しました。
今回の取り組みにおいて当社は、これまでに開発・蓄積してきたOMOソリューションを複合的に組み合わせてサービスを構築、当社のコアテクノロジーであるスマートプレート・クラウド上で個別に管理されるスマートプレートを各施設・各所に設置して、利用者の利用状況に応じたお得な割引券や引換券、参加型コンテンツ、満足度アンケートといった様々なサービスを動的に提供しています。
今回活用した当社のOMOソリューション
- スマートプレートクラウド(モノのID管理システム)
- スマプレダッシュボード(モノとの接点を可視化する分析ツール)
- スマプレフィードバック(満足度収集・可視化ソリューション)
- スマプレチケット(かざして使う非接触型モバイルチケット)
- スマプレルーレット(モノから起動するインスタントウィン)
スマートプレートを設置した施設
- ニセコマウンテンリゾート グラン・ヒラフ(北海道虻田郡): レストラン・レストテーブル・ゴンドラ・休憩所・ロビー
- ハンターマウンテン塩原(栃木県那須塩原市): レストラン・レストテーブル・ゴンドラ・ロビー
- スキージャム勝山(福井県勝山市):レストラン・レストテーブル・ロビー他
- たんばらスキーパーク(群馬県沼田市):レストラン・レステーブル・ロビー
各所でのサービス利用時には、設置されているスマートプレートに内蔵されたNFCタグによって、特別なアプリをインストールすることなくスマートフォンをかざす(近づける)だけでその場で提供されるサービスが瞬時(およそ1秒以内)に呼び出されます。ホーム画面からアプリを探して起動したり、アプリを起動してからクーポンや引換券を探して画面に表示する、といった操作は一切必要ありません。このNFC機能はiPhone 7以降の全機種で利用でき、Androidではおサイフケータイに対応した機種で利用できます。
当社ではこれまで、主力製品であるスマートプレートを活用してモノや場所とオンラインサービスを直結することで、ホテル滞在、商業施設、交通乗車、飲食・宿泊クーポン、スタンプラリー、インスタントウィンといった様々な領域で、アプリインストール不要の「かざすだけ体験」を提供して参りました。2021年2月時点で33万個を超えるID(スマートプレート)を出荷しております。
東急リゾーツ&ステイとは、同社が運営する「旧軽井沢 KIKYO キュリオ・コレクション by ヒルトン(⻑野県北佐久郡軽井沢町)」全客室へのスマプレフィードバック導入(2020年2月)をはじめとして、同ホテルの混雑状況を客室内で可視化するサービス「密レーダー」(2020年8月)の導入や、2020年11月1日に開業したnol kyoto sanjo(京都市中京区堺町)における滞在者向け情報配信など、安心で快適なホテル滞在の実現に取り組んで参りました。
今後アクアビットスパイラルズでは、東急リゾーツ&ステイと共同で、非接触型の顧客接点で利用者の体験価値を向上させながら施設事業者の迅速なサービス改善に寄与し、参加することで価値が循環する社会、非接触型スマートシティの実現に向けてOMO型レジャー観光サービスのさらなる開発・普及と社会実装を進めて参ります。
以上
■スマートプレートについて
スマートプレートはスマートフォンをかざすだけで様々なデジタルコンテンツをダイレクトに配信してモノや場所をオンラインサービスと直結する「Hyperlink of Things®(HoT)」です。特許取得済みの技術によってクラウドから動的にコントロールできるNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)タグを内蔵し、SaaS型のプラットフォームと組み合わせて提供されます。利用にあたって特別なアプリが必要なく動作用のバッテリーも不要、Web型コンテンツだけでなくアプリ型サービスの起動トリガーとしても活用でき、Apple PayやGoogle Pay等によるNFCタグ決済にも対応していることから非接触型スマートシティにおけるOMO(Online Merges with Offline=オンラインとオフラインの融合)インフラとしての役割が期待されています。
■株式会社アクアビットスパイラルズについて
社名 :株式会社アクアビットスパイラルズ
所在地:〒108-0074 東京都港区高輪2-16-5 東武高輪第2ビル2階
設立 :2009年 3月 31日
資本金:256,578,400円(資本準備金含む 2021年1月31日現在)
代表者:代表取締役CEO 萩原智啓
URL :https://spirals.co.jp
※スマートプレート、スマプレフィードバック、スマプレチケット、およびHyperlink of Thingsは、株式会社アクアビットスパイラルズの商標または登録商標です。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
※その他、本プレスリリースに記載されている会社名および商品・サービス名は、各社の商標または登録商標です。