三越伊勢丹リモートショッピングアプリについて
三越伊勢丹は、伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店・三越銀座店に代表される国内最大手の百貨店グループです。同社は百貨店業界を牽引してきた老舗の暖簾(のれん)と、対面接客でのホスピタリティを強みにする一方で、昨今では新しい生活様式に即したデジタルサービスを拡充し、店舗・距離に関わらない新時代の“お買物スタイル”を提案しています。
今回その一環として三越伊勢丹は、「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」を開発し、2020年11月25日から正式にサービスを開始しています。三越伊勢丹リモートショッピングアプリでは、1つのアプリ内でチャットによる会話から動画接客、購入までが可能になり、顧客は自宅にいながら三越伊勢丹各店の店頭にある商品を購入することができます。
参考画像:三越伊勢丹リモートショッピングアプリの概要
開発の背景とリリースまでの流れについて
三越伊勢丹では、コロナ禍における新常態の顧客接点を創出するため、デジタルを通じた接客サービスの早期提供を目指していました。限られたメンバーで開発する必要があったなかで、顧客が利用する機能の作りこみを重視し、外部の目に触れない従業員向けの管理画面は、効率的に開発することが求められていました。
また、その他の要件として、バックエンドのデータベースとのセキュアな連携をはじめ、既存IT資産を有効に使いたいという考えがあり、自社内のエンタープライズ環境に組み込みやすい開発ツールが必要でした。
そこで国内外の様々なローコード/ノーコード開発ツールを比較検討し、Retool社のRetoolを選定しました。GxPが窓口となってRetool社にコンタクトを取り、日本初の大規模導入案件ということでRetool社の全面的な協力を得て、ダッシュボード、予約管理、顧客管理、決済管理などの管理画面を短期間で開発。その結果、モバイルアプリやAPIの開発にリソースを注力することができました。
緊急事態宣言下の2020年4月に三越伊勢丹ホールディングスのデジタル機能子会社のIMDLが企画を立案、6月にIMDLおよび情報通信系子会社であるIMS、GxPによってチームを編成しました。7月から9月にかけてアジャイル開発を進め、10月に内部向けにリリース、11月からお客さま向けに段階的にサービスを開始しています。
内部での管理画面のユーザー数は、最大3000人を見込んでいます。Retoolによって内製でのアジャイル開発と安定したDevOpsの仕組みを導入でき、毎週新しい機能の提供を可能にすることで、顧客サービスの高度化に寄与しています。
開発体制
IMDL:導入決定、内製開発、運用
IMS:内製開発、インフラ管理
GxP:Retoolのエンタープライズソリューションパートナー、開発
Retoolについて
Retoolは、企業内アプリ用の技術者向けローコード開発ツールです。既存の技術スタックをベースとした開発が可能で、SQLやJavaScriptの知識があれば特別なトレーニングをせずに利用できます。開発データをクラウドサービス環境に持ちださない自社インフラデプロイ(オンプレミスデプロイ)が可能で、米国ではAmazon.com社、American Express社をはじめ、ファイナンス、メディア系を中心に多くのエンタープライズ企業で導入実績があります。
開発元のRetool社は、2017年創業のスタートアップで、Wind Venture CapitalによるThe Enterprise Tech 30 for 2020において、2位の評価を得ています*。GxPとは、エンタープライズソリューションパートナー契約(国内初)を結んでいます。
* https://www.wing.vc/uploads/images/blog/2020ET30.pdf
開発3社代表者のコメント
株式会社IM Digital Lab 代表 三部智英のコメント
「我々は、『仕組みを変えてお買い物を楽しくする』『Boost the Classic』を掲げ、百貨店における各種デジタルサービスの開発を進めています。今回のリモートショッピングアプリ開発もその一環であり、今後も伝統と信頼をベースにしながら、流通業界のDXをリードする取り組みを進めてまいります」
株式会社三越伊勢丹システム・ソリューションズ 代表取締役社長執行役員 箕輪康浩のコメント
「当社は三越伊勢丹グループに向けた、効率的な店頭・スタッフ業務遂行を実現するシステムの最適化から、お客さまへの新たな価値提供に向けたデジタル施策を実現する基盤開発、さらに新たなサービスのアジャイル開発にも取り組んでいます。グループのDXを強力に推進し、今回のリモートショッピングアプリ開発も含めた知見をITサービスに活かしていく所存です」
グロースエクスパートナーズ株式会社 代表取締役社長 渡邉伸一のコメント
「GxPは、IT各分野のプロフェッショナルとして、大企業向けエンタープライズDXのリーディングカンパニーを目指して事業を展開しています。今回、先進的な企業向けのローコード開発ツールを発掘・活用して、三越伊勢丹様が掲げる“百貨店ビジネスモデルの革新”をお手伝いできたことを嬉しく思います。今後も、エンタープライズDXの領域でRetoolを活用した事業を展開していく予定です」
■IM Digital Lab(アイムデジタルラボ)について
IM Digital Lab は三越伊勢丹のDX(デジタルトランスフォーメーション)を目的として2019年10月に設立されました。小売には、もっと可能性がある。そう心から信じ、アクションを起こすために生まれたのが IM Digital Lab です。創業から約350年、三越伊勢丹グループが培ってきた現場の資産に、テクノロジーやクリエイティビティをかけ合わせる。その先に、新しい買い物体験が生まれる。「仕組みを変えてお買い物を楽しくする」「Boost the Classic」を掲げ、百貨店における各種デジタルサービス(YourFIT365、マッチパレット、三越伊勢丹リモートショッピングアプリ他)の開発等、伝統と信頼をベースにしながら流通業界のデジタル変革をリードする取り組みを進めてまいります。
■三越伊勢丹システム・ソリューションズについて
三越伊勢丹システム・ソリューションズは「ITで世の中に価値を提供できる会社」
=「イノベーションを実現する会社」を目指す姿とし、三越伊勢丹グループへのIT基盤、システム開発・保守・運用全般のサービス提供はもちろん、他企業様向けにSCMデータ連携等のサービス事業も展開しています。三越伊勢丹グループに向けた、効率的な店頭・スタッフ業務遂行を実現する安定・安全なモード1システムの最適化から、お客さまへの新たな価値提供に向けたデジタル施策を実現するモード2基盤開発、さらに、スクラムチームで新たなサービスのアジャイル開発にも取り組んでいます。
従来からのモード1技術と新たなモード2技術を掛け合わせて、三越伊勢丹グループのDXに取り組むとともに、その価値ある成功体験をもとに、新時代の百貨店(プラットフォーマー)の一翼を担う1グループ企業として、ITビジネスを展開していきます。
■グロースエクスパートナーズについて
グロースエクスパートナーズ株式会社は、流通業界はもとより、医療・通信など業界のリーディングカンパニーと共に、エンタープライズDXに取り組んでいます。お客様の事業の成長を追求するため、DX人材の育成、さらにはDX推進組織の構築にも参画。
社名のGrowth xPartnersのとおり、「常にお客様と共に成長し続けるパートナー」として、これからも企業・社会の変革を後押しするエンタープライズDXを実現していきます。
【本件に関する一般のお問い合わせ先】
お問い合わせフォーム
https://www.gxp-group.co.jp/contact/input
または、
グロースエクスパートナーズ株式会社
TEL:03-5990-5423 担当 飯沼
*本プレスリリースに記載されている会社名および製品名は、一般に各社の商標または登録商標です。