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  天之眞名井 No.25
  116×116cm, S50,2005
  acrylic on canvas


 「夜久毛多都 No.9」
  (73×60cm, F20)
  2005
  acrylic on canvas

 

企画
黒須 信雄展
KUROSU Nobuo

2005.07.11(月)―07.23(土)

 絵画の基底は表現でなく顕現である。無論、これは表現を伴うことが絵画の成立を損なうのを意味してはいない。然しながら、画家の恣意に於ける個別的なテエマやモチーフを一切孕まずに、換言すれば表現を孕まずに、専ら顕現としてのみでも絵画は成立する。
 絵画は物質及び物体性に依拠することでしか己を顕すことができないけれども、物体であり物質である画布などの支持体にこまれた物質であり物体である処の絵具をもってマチエール・かたち・色彩の分離し得ない統合の様態として刻印されたものが絵画なのではない。それは絵画が顕現する基盤を成すものではあっても絵画そのものではない。構成の妙・かたちや色彩の眩惑的饗宴・マチエールの深淵さと云ったものは並べて芸術的感銘に缺くべからざるものであるが、真個に感銘の核心を成すのはそのような分節的エレメントの総合ではなく、名状し難い<一なるもの>である。
 絵画とはこの<一なるもの>の発出としての顕現、すなわち存在形式の転換としての顕現である。この顕現性は、個別的な作品にあって、それらが如何ほどに表現的要素を含んでいるかによって純度が異なって実現されている。そのこと自体に個々の作品の優劣はない。それが<絵画>として成立している限り、本質的に芸術作品には優劣などと云う相対的な価値基準はないのである。
 然しながら、存在形式の転換である処の絵画=顕現の純化は一方に、絵画がそれ自体をしか含まないと云う自律性への可能的実現に於て、存在論的な遡行意志に深く関わるものであり、顕現の至純性への追求が絵画に於ては何よりも基底的である。無論このような追求は容易ならざるものであって、そのためには物質性及び物体性、さらにイデア的なヴィジョンのそれらへの憑依、視覚に於ける<意志>と<自己批評性>などのさまざまな問題が、一枚の画布の上で検証されなければならないであろう。
 このような側面から眺めただけでも、絵画は実に謎と秘密に満ちたものである。絵画の謎とは<永遠>なるものと云わざるを得ない。
                        
                               2005年 5月

→2003年の展覧会/past exhibition
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