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 そして 日々が,2004,162x130cm
 acrylic on canvas

企画
松浦 寿夫展
MATSUURA Hisao

2004.06.07(木)―06.19(土)

いつか聞いた銃声がきっとどんな弾道よりも早く私の耳に届いてきたように、あの収容所を取り囲む茨や薊の濁点のような棘でできた私の指の傷が、血が滲むよりも早く、痛みが体じゅうを走るよりも早く、法悦とはまったくちがう起伏を引き起こしたように、空を分断する鳥たちよりも早く、私の政務日誌を繰るよりも早く、息せき切って私が朝の礼拝に駆けつけようとしたときに礼拝堂よりも早く、庭園がここにあったように、庭園はいつも私の吐息よりも早く、つかのまの断片としてしか姿を現さず、エクスの画家が手紙で教えてくれたように、全知全能にして永遠の父なる神がわれわれの眼前に繰り広げる光景の一断面を、水平の線が与えてくれるとしたら、きっと庭園は垂直の線として、深さとしていつしれず陥没するものにちがいないのだから、庭園と口にするたびに私の唇のわずかな震えはいつも命名の事後性に酷くゆがむのだから、庭園、反=アダム圏、だから庭園論は決しておわることなく、このやむにやまれぬ振動とともに、あの非可感的なマテリアがうつろなままに待機する形を逸脱するだろうから 
「現代詩手帖」1985年 1月号
(ギャラリーGAN 1998年 Each Artist, Each Momentカタログより引用)

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